グーグルが保存に救いの手 カリフォルニアの超ビッグ建造物 もともと何だった? 今や国の史跡
アメリカ西海岸カリフォルニア州の空港には、100年前に作られた空中空母用の巨大格納庫が現存しています。アメリカの国定史跡にも選ばれた建物は現在、巨大企業グーグルの資金協力を得て修復が進められています。
巨大格納庫の修復にグーグルが協力へ
ただ2003年に、同飛行場の近傍に広がる湿地帯の堆積物から有害な化学物質が検出されました。調査の結果、ハンガー・ワンに使われていた塗料に鉛やPCBが含まれていることが発覚。2010年からアメリカ海軍は、建物から鉛やPCB、アスベストなどを除去する作業を始めますが、無害化と建物の修復には多額の費用が必要なことが判明しました。
ここで、救いの手を差し伸べてくれたのがグーグルの首脳陣たちでした。同社が協力してくれたことで、資金面での憂いもなくなりハンガー・ワンの修復は順調に進むようになりました。
2023年現在、ハンガー・ワンは作業のために格納庫の外板が全て取り外され、骨組みだけの姿になっています。復旧作業は2025年には完了する予定で、グーグル社はその後60年間にわたり格納庫をリースする予定です。修復が完了した暁には、再びあの巨大な威容を眺めることができるでしょう。
その結果、ハンガー・ワンがシリコンバレーの新たなランドマークになることは間違いないと筆者(細谷泰正:航空評論家/元AOPA JAPAN理事)は想像しています。
ちなみに、冒頭に記したとおり、モフェット連邦飛行場には巨大な飛行船格納庫がハンガー・ワンのほかにも2棟あります。これらは「ハンガー・ツー」「ハンガー・スリー」と呼ばれていますが、この2棟も世界最大級の木造建築物であり、ハンガー・ワン同様、歴史的な価値を有しているといえるでしょう。
【了】
日本だって負けていません。日本の誇るヲタク共は建物内に雲を発生させられます。