ANAの新航空会社「Air Japan」、ANA本体と路線モロ被り? どう差別化するのか その全貌

カブる路線多数のANA・AJ、どう差別化?

 その一方、2023年2月に実施されたANAホールディングスの中期経営戦略発表会で報道陣に公開された資料によると、「Air Japan」の就航が見込まれる都市は、バンコクやクアラルンプール、ホーチミンシティ、マニラなど。ただ、こういった地域は、ANAブランドの路線ネットワークとも”カブる”ことになります。ここをどのように棲み分けしていくのでしょうか。

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中央がANAホールディングス芝田浩二社長(乗りものニュース編集部撮影)。

 ANAは「Air Japan」が使用する成田空港のほか、羽田空港も拠点とします。都心に近く、よりビジネスマンに好まれる羽田空港の使い方が、2社の棲み分けを大きく分けるポイントになりそうです。また、2社で便数や運航ダイヤなども、それぞれが工夫して組むと見られます。

 また、ANAブランドとしては中期経営戦略期間中に、プロダクトやサービスを強化することで、収益(イールド)を向上させる方針が掲げられています。ここに関して、ANAホールディングスの芝田浩二社長は次のように話します。

「2025年度には、ボーイング777-9や737MAXといった新機材の納入が始まります。また、国内線と国際線の旅客サービスシステムをひとつのプラットフォームに統一し、国内・国際と一緒になったシームレスなサービスの向上が図られ、結果的にサービス強化へつながると考えています」

 なお、777-9は長距離国際線、737MAXは国内線がメイン。その一方でグループを通じて、ANAの東南アジア路線の主力機のひとつであるボーイング787を、2030年度には100機以上に増やします(現在79機)。「Air Japan」就航後も、ANAは発着空港や快適性の高い最新旅客機の導入、システム面の向上などを重ね、両者が食い合わないように差別化を図ると見られます。

【了】

【ANAとAir Japan2社が運航する範囲、どれくらい?】

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コメント

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1件のコメント

  1. サービスの説明を見るからにZIPAIRと対抗するブランドなのかな?