謎のまま消滅 東京の「環6地下鉄」計画とは? “交通貧弱地帯”池袋~渋谷に群がった鉄道新線構想

一切が謎の「環6地下鉄」構想の”裏側”

 東京都道317号環状六号線、通称「山手通り」は、品川区東品川2丁目(天王洲アイル駅付近)を起点に目黒区、渋谷区、中野区、新宿区、豊島区を経由し、板橋区仲宿(板橋区役所付近)に至る全長約20kmの道路で、現在はほとんどの区間の地下を首都高速道路中央環状線が通っています。

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山手線の西側に並行する環状六号線(山手通り)(画像:Google Earth)。

 山手線の一回り外側を通る環6に地下鉄を整備する理由について、答申は「環状6号道路沿いの業務地の発展等を考慮」としか説明していません。根拠のない計画は答申に含まれないので、東京都など誰かしらからの要望があったものと思われますが、ヒアリング内容や審議の過程は非公開なので詳細は不明です。

 それだけで話が終わってしまっては意味がないので、なぜ1972(昭和47)年という時期にこのような構想が浮上したのか、背景を探ってみましょう。

 鉄道を中心に東京を見たときに基準となるのが山手線です。古くから都市部の内外を示す境界線で、時に「万里の長城」にも例えられる存在でしたが、道路を基準に見ると、環6がその境界にあたります。

 現代の私たちにはピンと来ないかもしれませんが、それを裏付けるように1950~70年代の都市計画関係の記事には、環6の内側を都市整備が概成した既成市街地、その外側を開発途上の郊外と分類する記述が目立ちます。

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