世界で2隻だけ現存「戦前日本の軍艦」タイでの“余生”とは? 会いに行ったら珍道中に

希代のご長寿艦だった「メクロン」

「メクロン」は1995年まで練習艦として使用されており、兵装や電子装置の一部は外国製品に交換されています。

 艦内のギャラリーには現役時代の「メクロン」の写真が展示されていましたが、説明文はタイ語のみで、説明にあたるタイ王国海軍のスタッフも英語が堪能ではなく、兵装や電子装置がいつ交換されたのか、またどこ国の製品なのかを知ることはできませんでした。

 その点において、「メクロン」はあまり大事にされているとは言い難かったのですが、その一方で艦首部では子供たちが、映画「タイタニック」でレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが演じていた「例のポーズ」に興じていました。

「メクロン」と同じ浦賀船渠で建造された日本海軍の軽巡洋艦「五十鈴」や海上自衛隊の護衛艦「むらさめ」、「メクロン」の姉妹艦である「ターチン」などは既にこの世を去っています。もう二度と海に出ることはないものの。解体されることなく地元の子供たちに親しまれている「メクロン」は、軍艦の余生としては悪くないのかもしれません。

 ちなみにプラジョンジョムクラオ要塞には、タイ王国海軍が経営するシーフードレストランがあります。筆者はこのレストランのお客を載せてきたタクシーを拾ってサムットチェディ船着き場まで帰り着くことができましたが、今度は「メクロン」の下調べをした上で訪問して取材し、タイ王国海軍直営のシーフードレストランの料理を満喫してみたいと思っています。

【了】

【武装もそのまんま!】「戦前の日本製軍艦」の主砲&連装魚雷発射装置(写真で見る)

Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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コメント

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7件のコメント

  1. 1938年進水した、日本海軍特務艦も勤め、南極観測船として有名な巡視船、宗谷のこともたまには思い出してあげてくださいね

  2. この艦が戦前日本の軍艦扱いなら、三笠はイギリスの軍艦でしょうに。

  3. 戦艦三笠の主砲や艦橋等の甲板上構造物はコンクリートで再現した実物大の模型です

  4. 普段ニュースサイトにコメントなんて書かないけど、あまりにもひどい記事なのであえて書かせてもらう。そもそも、文量に対して本論があまりにも短い。船について興味があって開いてみれば、肝心のメクロンに関する文はほとんど3ページ目のみ、それもかなり短い。全体の3分の1しか情報を載せておらず、兵装や電子装置に関して言及しているにもかかわらずその写真は載せていない。主題にあるタイでの“余生”とは?に対する記事も非常に少なくお粗末。筆者の高校の頃の原付に関する思い出話を聞きたくてこのページを開いていた人間が一体何人いると思う?読み応えゼロ、学びゼロ。このような記事でジャーナリストを名乗らないでほしい。

  5. うん、コメント欄を読んでああ、やっぱりというコメントがあったので私も。

    これって取材にかこつけたタイ旅行ですよね。
    あまりにも取材対象の内容が無い、記事のほとんどが移動行程で占められてるってのは取材記事としては、旅行記ですよね。

    残念です。

    最後に艦橋の電子(電気)機器は、火器管制装置ですよね?

  6. 宗谷は?

  7. ヘンテコな記事だなあと思って筆者を見て、納得