岸田首相も乗った! キーウ行きの “10時間チャレンジ” 長距離列車天国ウクライナ 現地の事情

寝台列車のチケットはベッド単位

 ゆえに、寝台列車はウクライナの長距離移動において代名詞的存在と言えるでしょう。ウクライナでは、2020年時点でも旧ソ連時代から受け継いだ寝台列車が数多く使用されていました。ただ、これらは外見こそ古いものの、その多くが中身をリニューアルしているため、長距離移動でもストレスを感じにくい快適なものになっています。

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2019年2月のハルキウ(ハリコフ)中央駅の正面出入口(大久保 光撮影)。

 寝台列車には大きく3つのクラスがあります。いちばん高いものは1部屋2つのベッド、2番目のものは1部屋4つのベッド、そして最も安いものは1部屋6つのベッドという構成です。ちなみに、いちばん高い部屋と最も安い部屋では、乗車区間にもよりますが、約5から6倍ほどの値段の違いがあります。

 基本的に、チケットは1つのベッドを予約する形であり個室ではないため、ひとりで乗車する場合は、赤の他人と一緒になることがほとんどです。しかし、それも旅の醍醐味のひとつであり、一緒の部屋になった人たちと色々な話をしたりすることができるので、筆者的にはそんなに悪いものではないと思っています。もちろん、盗難などのリスクもあるため、そのあたりは気をつけなければなりません。

 筆者はよく、首都キーウから東部のハルキウやスラビャンスクへ向かう際に利用していました。キーウ~ハリコフは夜行列車で6時間ほど。キーウ~スラビャンスクは12時間ほどで行くことができました。なお後者のスラビャンスクは途中駅にあたり、列車自体はキーウ~コンスタンチノフカ間を走っていました。

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