岸田首相も乗った! キーウ行きの “10時間チャレンジ” 長距離列車天国ウクライナ 現地の事情

2023年3月21日、戦争中のウクライナを岸田首相が電撃訪問しました。ポーランドから鉄道で陸路向かったとのことですが、キーウに住んでいた筆者からすると、鉄道を選んだのも理解できるようです。同地の交通事情や鉄道事情を紐解きます。

最新高速列車なら所要時間は従来の約半分!

 一方、昼間にウクライナ国内を長距離移動する場合に利用するのが、特急列車です。ただ、従来はその多くが電気機関車で客車を引っ張る、いわゆる客車列車タイプで、長い所要時間を必要とするものでした。

 しかし、近年その状況が改善されつつあります。まず2010年、ウクライナ鉄道(ウクライナ国鉄)が韓国の現代ロテム社に新型車両を発注し、翌2011年から近代的な特急列車の運用が始まりました。

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2018年8月のキーウ駅で撮ったハルキウ行きの特急列車。韓国製の最新型で、前面中央にはメーカー名を表す「Rotem」の文字が見える(大久保 光撮影)。

 この列車は「HRCS2型」電車といい、冬にはかなり極寒となるウクライナの気候風土にも対応している、まさにウクライナ鉄道向きの特急車両です。この車両は、それまで昼間の在来線といえば客車列車がほとんどだったウクライナにとって画期的なもので、最高速度160km/hを武器に、移動時間の大幅な短縮を成し遂げています。

 なお、座席は普通車とグリーン車の2ランク仕様。また、軽食を購入できる売店が設けられた車両もあり、長距離移動に適した車内となっています。普通車は2+3の5列、グリーン車は2+2の4列で、多くが9両編成で運用されています。

 キーウ~ハリコフ間を約4時間、キーウ~スラビャンスク間を約6時間で結ぶため、前出の寝台列車と比べると大幅に移動時間が短縮されていることがわかるでしょう。ほかにもキーウを中心にウクライナ第3の都市、リヴィウやオデーサ、ヘルソンなど、拠点どうしを結ぶ都市間高速列車として運行されており、ウクライナにおける長距離移動の大幅な時間短縮に貢献しています。

 なお、これらはロシアによるウクライナ侵攻(ウクライナ戦争)が始まる前の2017年から2021年の経験を元にまとめています。戦争が終わり、これら鉄道によるウクライナ旅行を楽しめる日が再び訪れることを心待ちにしています。

【了】

【キーウでの食事も】旧ソ連系の客車列車も ウクライナの鉄道事情を写真でイッキ見!

Writer:

1993年8月11日、東京出身。レーシングライダーとして世界各国で活躍中。2010年全日本チャンピオン、2012年アジアチャンピオン。幼い頃にプレイしたエースコンバット2の影響で戦闘機好きになりレースの合間に各国の博物館を巡るのが趣味の一部となっている。

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