読めたらスゴイ?「旧日本海軍の“難読艦”」今や使われない漢字も 戦前ならではの命名か
もはや“漢字検定”クラスな艦名たち
前出の2隻は人気ゲーム『艦隊これくしょん』にも登場しますので、比較的よく知られた艦名といえるでしょう。ここからハードルを上げてみたいと思います。
駆逐艦「栴檀」
同艦はもともと、イギリス海軍の駆逐艦だったものを日本が運用する際に改名したものです。第1次世界大戦中の1917(大正6)年、旧日本海軍はイギリスなどの要請に基づき第二特務艦隊を編成し、地中海へ派遣。彼の地で対潜警戒に従事していましたが、この任務のためにイギリスが提供した駆逐艦「ミンストレル」を改名したのが「栴檀」です。
艦名の由来である「栴檀」(せんだん)とは白檀の別名で、ビャンダン科の常緑高木を元にしたといえるでしょう。ちなみに、センダン科の落葉高木に「栴檀」も存在しますが、こちらの植物とは無関係なようです。
古くより「栴檀は二葉より芳し」(白壇は発芽の頃から早くも香気があるように、大成する人物は、幼いときから人並みはずれて優れたところがある、という意味)と言われてきました。
排水量は780トン、主な武装は10.2cm砲2門、53.3cm魚雷発射管2門、最大速力は30ノット(約55.6km/h)。性能的には平凡な駆逐艦でしたが、イギリス製だけに居住施設が日本の駆逐艦よりも優れており、乗員はうらやましがられたそうです。
なお、同型艦には「橄欖」(かんらん)がありますが、こちらも元イギリス海軍の駆逐艦「ネメシス」です。なお、こちらの艦名の由来は東南アジアの食用植物で、オリーブの翻訳語が元になっています。
駆逐艦「栂」
樅(もみ)型駆逐艦6番艦として、1920(大正11)年に竣工したのが「栂」(つが)です。基準排水量は770トン、主な武装は12cm砲3門、53cm魚雷発射管4門、最大速力は36ノット(約66.7km/h)という性能でした。
艦名の由来となっている「栂」とは、高さ30cm程度にまで成長するマツ科の常緑高木です。高さ30mにもなります。ちなみに関西では「トガ」と呼ばれたりもする木です。
太平洋戦争中は船団護衛などに従事していましたが、終戦直前の1945年1月、アメリカ空母艦載機の攻撃を受けて沈没しました。
駆逐艦「蓼」
「栂」の姉妹艦で、樅型駆逐艦の21番艦として1920(大正11)年に竣工しています。読み方は「たで」で、これはイヌタデなど、「たで」の名前を持つ植物の総称です。独特の辛みから、たで酢や刺身のつまとして、食用にも用いられます。
基準排水量は770トン、主武装は12cm砲3門、53cm魚雷発射管4門で、最大速力は36ノット(約66.7km/h)でした。
太平洋戦争前に高速輸送艦となり、戦争中は蘭印攻略作戦や船団護衛に従事しましたが、1943(昭和18)年4月、アメリカ潜水艦「シーウルフ」の雷撃で沈没しています。
駆逐艦「早蕨」
若竹型駆逐艦4番艦として、1923(大正12)年7月に竣工したのが「早蕨」です。読み方は「さわらび」で、これは芽を出したばかりのワラビのことを指します。『万葉集』の「石(いわ)ばしる垂水の上のさわらびのもえいづる春になりにけるかも」(石の面をはげしく流れ落ちる、滝のほとりにわらびが芽を出している。いよいよ春になったのだな)は、名歌として知られています。
基準排水量は820トン、主武装として12cm砲3門や53cm魚雷発射管4門を搭載。最大速力は35.5ノット(約65.7km/h)ノットという性能でした。ただ「早蕨」は、竣工から約9年後の1932(昭和7)年12月、台湾海峡で荒天に遭遇し、転覆・沈没しています。
「深雪(みゆき)」は現代でも冬生まれの女の子に命名される名前ですよね。
個人的には美しく知的で凜とした佇まいの、しかし芯の一本通った女性をイメージします。
性癖を披露すな
中島みゆきさんの本名が深雪
一等駆逐艦はまぁ割と読める人が多いかなとは思う。
二等駆逐艦はかなりの人が脱落するんじゃないだろうか。
蓼 うつ かと思ったよ