西武新宿に「東急新宿」出現!? 歌舞伎町タワー開業&空港直結バス運行開始 東急バス新宿進出の意味
西武新宿線ももちろんターゲット!
インバウンド需要だけでなく、東急トランセの古川社長は「西武新宿線から(空港への)アクセス性も格段に向上します」と話し、もっと多く本数を増やせるようPRしていくと力を込めました。
このバスターミナルは、西武新宿駅の目の前。駅構内の案内放送が漏れ聴こえるほど近くに位置しています。
西武新宿線は他線との直通運転もなく、「バスタ新宿」へ行くにも乗り換えが必要です。高速バスを利用する際の心理的距離は、周辺の他路線に比べて大きいものがあります。新宿駅からも離れた西武新宿駅の目の前に位置する今回のバスターミナルは、インバウンド需要と西武新宿線沿線の需要が2本柱といえそうです。
野望は大きいぞ! 「歌舞伎町発の高速バス」続々なるか
実は東急バス・東急トランセは「バスタ新宿」への乗り入れ路線がありません。今回のバスターミナルで初めて新宿へ進出する形になります。
古川社長は「ちょっとフライングですが」としたうえで、3月から渋谷周辺で運行している屋根なし2階建てバスによる定期観光バス「SHIBUYA STREET RIDE」を、5月から歌舞伎町タワーまで運行し、渋谷と新宿を結ぶバスとして運行する計画を明かしました。
同社は今回の空港連絡バスを足がかりに、ここを東急のバスの拠点として、運行を拡大していく構えです。
現在、東急の高速バスは主に渋谷駅へ発着していますが、東急バスはこれらを延長し、歌舞伎町発着で渋谷などを経由していくことも検討したいといいます。外国人旅行者に人気の観光地にも歌舞伎町から直結できるだけでなく、同時に「西武新宿駅から各地へ直結」ということでもあります。
東急歌舞伎町タワーの場所はもともと、東急レクリエーションが運営する映画館で、さらに古くはアイススケートリンクなどのレジャー施設があった場所です。それが再開発により、交通の拠点が併設された高層の複合施設に生まれ変わりました。東急が果たした“バスの新宿進出”。西武新宿線沿線の人も、今後に注目したいところではないでしょうか。
【了】
東急バス、確かにバスタ新宿には初乗り入れですが、昔は新宿駅西口に発着する一般路線がありました。
都営バス宿91系統(新宿駅西口~新代田駅前)は、かつては東急バスと共同運行の新宿駅西口~大森操車場という路線でした。80年代、長距離路線の短縮化の流れの中で、この路線も84年に共同運行を解消、都バスが新宿駅西口~駒沢陸橋(その後さらに短縮され新代田駅前)、東急は森91系統新代田駅前~大森操車場に系統分割されました。
なので、東急バスの新宿乗り入れは、ほぼ40年ぶりということになります。