海上自衛隊唯一の「零戦」保存機に込められた”想い” 2機の残骸からの復元機 かつての特攻基地に

旧日本海軍の零式艦上戦闘機は、5年におよぶ量産の間に様々な型式が作られました。なかでも最も多く生産されたのが五二型です。このタイプは国内でもいくつか実物が見られますが、鹿屋市で展示されている1機はまた特別な機体です。

最も多く生産された「五二型」その特徴は?

 零戦は1940(昭和15)年から終戦の年である1945(昭和20)年までの5年間に渡って生産された旧日本海軍の主力戦闘機です。1万機以上が作られたため、時期によって量産タイプも発動機や武装、機体や翼の形状などに違いがあり、一一型から六四型までさまざまなバリエーションが生み出されています。

 鹿屋の史料館に展示されている五二型は、その中で最も生産数が多いモデルで、約6000機が作られました。このため程度は様々ながら、国内でも鹿屋を含め、靖国神社の遊就館など計6機が保管・展示されています。

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予備の増槽(燃料タンク)を胴体下に吊るし、整備員が乗り込んで出撃準備を行う零戦五二丙型。機首のカウリング周りには、五二型から採用された推力式単排気管が見える(吉川和篤撮所蔵)。

 零戦三二型を改良した二二型を基に、さらなる発展型として誕生した五二型は、艦上戦闘機の特徴であった主翼の折畳み機構を廃止して翼幅を短縮しています。また発動機は二二型と同じ栄二一型(出力1130馬力)のままでしたが、より一層のスピードアップを図るべく排気管を機首の外環に沿って1本ずつ配置する「推力式単排気管」という構造に改良しているのが特徴です。これによりカウリング回りの空気の流れを整えながら「ロケット効果」による後部への推進力の増大を図ったことで、最高速度は二二型より20km/h速い565km/hまで向上しました。

 なお武装については、五二型および五二甲型では、主翼の20mm機銃2挺と機首に装備した7.7mm機銃2挺というものでしたが、派生型の五二乙型では主翼の20mm機銃2挺こそ変わらないものの、機首右側に装備する7.7mm機銃が13.2mm機銃に更新・強化されています。さらに五二丙型では主翼の武装が20mm機銃2挺と13.2mm機銃2挺の計4挺に増やされた一方、機首の武装は7.7mm機銃が外され、13.2mm機銃1挺のみに絞られています。

【鹿屋だからこそ!】零戦五二型のコックピット内部や現存唯一の二式飛行艇ほか

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