上級グリーン車の布石? 東海道新幹線グリーン2席占有 vs JR東日本グランクラス 快適なのは

リクライニング時に音が出る…?

 しかし進行方向の快適性では、シートピッチが広いグランクラスが大きく勝ります。東海道新幹線のグリーン車は総じて乗車率が高く、リクライニングを倒すことに気兼ねする利用客もいるかと思いますが、グランクラスはバックシェルが備わっているため、気を使う必要がありません。リクライニング角度も深く、車内で仮眠したい場合などには大きなアドバンテージとなるでしょう。

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東海道新幹線N700Sのグリーン車のフットレスト(安藤昌季撮影)。

 座席幅も、東海道新幹線のグリーン車が480mmのところ、グランクラスはE5/H5系が520mm、E7/W7系が525mmです。背もたれに枕が備わるほか、フットレストだけでなくレッグレストも付いています。

 付帯サービスとしては、「EXグリーンプラスワン」では通常のグリーン車と同じく「おしぼり」「車内誌」が付きます。また「のぞみ」限定なので、車内販売(有料)もあります。

 グランクラスでは、「座席のみサービス」の場合は車内誌とスリッパのみですが、アテンダントが乗務している「飲料・軽食あり」の場合は、料金は高くなりますが、軽食と飲料のサービスがあります。

 両方を利用した筆者(安藤昌季:乗りものライター)の感想としては、「EXグリーンプラスワン」は十分に料金に見合うサービスですが、総合的にはグランクラスの方が魅力的と感じました。特に改良された座席を備える、北陸新幹線E7/W7系のグランクラスは、国内の鉄道座席でも最高レベルの快適性だと感じます。壁や天井もグリーン車より分厚いため、静粛性にも優れます。唯一の欠点は、電動式であるリクライニング機構の作動音が室内に響くことでしょうか。東海道新幹線のグリーン車はリクライニングした時でも動作音がなく、とても静かです。

 振り返れば、かつての100系新幹線1人用グリーン個室の座席は、E7/W7系新幹線のグランクラスに匹敵する快適さだったと感じます。JR東海は、普通席の3人掛けを2人で使う「S WorkPシート」を導入するなど攻めの姿勢を見せています。「グリーン車以上の上級クラス」実現が、今から楽しみでなりません。

【了】

【実質1.5席!?】東海道新幹線に導入「新ビジネスシート」とは(写真で見る)

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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コメント

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1件のコメント

  1. その前にJR東はグランクラスのサービスの質を落としたからな…
    西も一緒にならなきゃいいけど…