日本初配備 米軍「F-15E」戦闘爆撃機やってきた 東アジアに“睨み” 空自F-15Jとどう違う?

2023年4月下旬に沖縄県の嘉手納基地で開催された「アメリカフェスト」で、F-15E「ストライクイーグル」が日本国内の基地として初めて展示・公開されました。特徴はどんなところなのか、現地で見てきた筆者が解説します。

日本初の展示となった嘉手納配備のF-15E

 2023年4月22日と23日の2日間、沖縄県にある在日米軍の嘉手納基地で「アメリカフェスト」が開催され、アメリカ空軍の戦闘爆撃機F-15E「ストライクイーグル」が地上展示されました。

 日本で初めて公開された同機の生い立ちを振り返りつつ、この機会にF-15Eの細部を観察してみましょう。

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嘉手納基地「アメリカフェスト」で展示されたF-15E「ストライクイーグル」(細谷泰正撮影)。

 冷戦真っ只中の1960年代末から1980年代にかけ、アメリカ空軍では敵地の上空を高速で低空侵入し精密爆撃を行う能力を備えた戦闘爆撃機として、F-111「アードバーグ」を運用していました。

 その後継候補として検討されたのがF-16XL(後にF-16E/Fと改称)とF-15の爆撃能力を強化した改造型でした。両機はエドワーズ空軍基地で評価テストが行われ、比較検討の結果、後者がF-15Eとして採用されることになります。

 こうしてアメリカ空軍に導入された同機は、1988年4月より部隊配備が始まり、翌1989年9月には初期作戦能力(IOC)も獲得、湾岸戦争やユーゴ紛争、アフガニスタン作戦、さらにはイラク戦争と、アメリカ空軍が参加した数々の作戦で実績を積み重ねてきています

 F-15Eは、その型式名からもわかるとおり、制空戦闘機F-15「イーグル」をベースに所要の改造を加えた機体です。2人乗り、すなわち複座型F-15Dの機体構造を強化し、最大離陸重量を20%も増加させ、さらに胴体両側にコンフォーマル・フューエル・タンクと呼ばれる燃料タンク兼兵装搭載用ハードポイントを増設したのが特徴です。

 このタンクには、片側だけで3200リットルもの燃料を搭載できるほか、爆弾などを機外に取り付けて携行するためのハードポイントと呼ばれる装置が複数準備されています。このタンクが胴体両側のふくらみのような形状となっていて、これがF-15Eの外形におけるひとつの特徴となっています。

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