「ゆずり車線」って何だ? 登坂車線と違うの? どう使えばいいかNEXCOに聞いた
渋滞対策としての「ゆずり車線」 その真の目的
クルマの性能が上がった現在、各地の登坂車線はあまり活用されていない印象も受けます。だからこそ、空いている登坂車線を使った左からの追越し行為が横行しているともいえます。
一方のゆずり車線は、もともと走行性能を考慮したものではありません。速度が出せないからではなく、自発的に第一走行車線をゆっくり走りたい人も、ゆずり車線へ移るべきなのでしょうか。
「後続車への交通の影響を低減する渋滞緩和を目的として設置していることから、ゆっくりと走行したい車両はゆずり車線のご利用をお願いします」
「当社では、ゆずり車線の長さを示す標識を数枚設置するなどし、渋滞時のゆずり車線の利用を促進しているほか、渋滞の予防・緩和のため、ゆずり車線の設置箇所で速度が低下した場合には、ゆずり車線をご利用いただくようご案内もしており、道路交通法をはじめとする各種交通法規に従って、お客さまがゆずり車線をご利用いただくことを推奨しています」(NEXCO東日本)
関越道のゆずり車線の多くは、緩い下り坂から緩い上り坂へ変化する地点から始まります。こうした区間では気づかないうちに速度が低下するとともに、混雑しだすと「少しでも早く走りたい」と考える人が右車線(追越車線)側に集中し、不用意な車線変更やブレーキの連鎖が発生、大きな渋滞につながります。
ここで、速度が低下したクルマがゆずり車線へ移ることで、走行車線の混雑を軽減し、追越車線への偏りも減少することで、全体の流れがスムーズになり渋滞緩和が期待できるとのこと。言い換えれば、渋滞の要因になる追越車線側への集中を、左側から抑え込もうという発想でしょう。
混みだして速度が低下してきたな、と思ったらゆずり車線へ――これで少しでも渋滞緩和に貢献できるのかもしれません。
【了】
ゆずり車線とゆずりあい車線
ゆずり車線を付加して3車線+1とする方式ではなく、ゆずり車線を第一走行車線としてきちんと4車線で運用した方がいいよ。