「バイク駐車場問題」の二の舞必至 電動キックボード等「特定小型原付」駐車場なし 自治体は思考停止?

国交省は「自転車駐輪場も収容できる」と言うが…

 たとえば東京都文京区は、そもそも原付バイクの駐車場が1台もありません。電動キックボードなど新しいモビリティの社会実装を数年越しで国と民間が考えてきましたが、駐車場整備は地方自治体の仕事です。文京区は「区営のバイク駐車場はないので、民間の駐車場に止めてほしい」と、話します。

 交通安全対策を担う東京都文化スポーツ局にも聞いてみましたが、「今のところ電動キックボードなどの新しい対応は考えていない」。

 自転車法によれば、自転車だけでなく原動機付自転車の駐車場整備も市区町村の責務となっています。1980年に成立した同法には「一般公共の用に供される自転車等駐車場の設置に努める」とありますが、条文を努力義務と考えて、設置する必要がないと解釈する市区町もあります。

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特定小型原付も放置禁止区域に停めれば、ただちに撤去の対象となる(画像:写真AC)。

 全国の駐車場政策を担当する国土交通省街路交通施設課は、こう話します。

「自治体の駐車場政策の担当者らに機会を捉えて話をしている。原付バイクも同じだが、自転車駐輪場にも収容はできる。7月1日までには対応について公表する準備を進めている」

 いざ乗ろうと思ったら止める場所がない。こうした問題は、駐車場の附置義務が整備された乗用車では考えられず、免許保有者でも気が付かないことが多いです。過去には、市区町の駐車場整備が進まない中で2006年から放置駐車違反取締りの民間委託が始まり、取締りの嵐となったバイクは届出台数が激減しました。

国は閣議決定でパーソナルモビリティの普及を目指していますが、環境整備が追い付いていません。特小原付はこのまま逆風の中でのスタートとなるのでしょうか。

【了】

【え…ココ?】「電動キックボードの駐車場」に指定されそうな場所(写真)

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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コメント

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1件のコメント

  1. 自転車と同じ考え方でいいと思うんだけどな。
    環境負荷にならないエコな乗り物だけに、うまく進めていって欲しいけど。
    自動運転まで先は長いし、電車などもこれからは路線は伸びるどころか減るところはあるし、バスも人手不足だから本数も少なくなってるし、
    色んな人の足になれるものを秘めてるだけに。
    柔軟な考えが求められるよ