“セスナ機”を駆逐か? 新ジャンル機「LSA」規制緩和 定員も総重量も倍増へ 日本だけが蚊帳の外
「セスナ」など小型機駆逐する勢いのLSA
MOSAICの実現に向けてFAA、ASTM(工業規格標準化機関)、EASA(欧州航空安全機関)、ANAC(ブラジル国家民間航空局)などの組織間ですり合わせが行われてきました。そのMOSAICの大枠が昨年(2022年)FAAから発表されることが、各国の航空関係者の間で期待されていましたが、その発表は遅れています。
そうしたなか、ブラジルのANACが先陣を切る形で昨年7月22日、“ブラジル版MOSAIC”の概要を発表しました。その中身は、最大4座席、機体重量1361kg(3000ポンド)以下、最大速度185ノット(約343km/h)などです。これらの数字を適用すると4人乗りの小型機ほぼすべての機種がLSAの範疇に収まることになります。
このブラジルの発表に素早く反応したのがヨーロッパとオーストラリアのLSAメーカーで、早速、規則の改訂を織り込んだ新型機を市場に投入しています。なお業界では、FAAが近々発表するMOSAICの中身も、ブラジルANAC発表のものと大差ない内容になると考えられており、新規則を織り込んだ仕様のLSAがいくつも登場しています。
航空関係の新しい基準や規則はいつもアメリカから発表され、世界がそれに追従するというのがこれまでの通例でしたが、今回は新しいLSAの規格がブラジルから世界に先駆けて発表されました。
これは航空史に残る快挙といえるでしょう。エアバス、ボーイングに続く世界第3位の航空機メーカー、エンブラエルを育んだ航空大国ブラジルの自信と底力を象徴する出来事であると筆者(細谷泰正:航空評論家/元AOPA JAPAN理事)は捉えています。
電動の航空機(グライダーも含む)も日本では飛べませんよね。
ボトムラインが貧弱なのに旅客機開発という頂上を目指しても無理があるのかなと。