“セスナ機”を駆逐か? 新ジャンル機「LSA」規制緩和 定員も総重量も倍増へ 日本だけが蚊帳の外
日本よ、ブラジルを見習え!
そのブラジルと対照的なのが我が国の“惨状”です。臆病になるあまり、LSAという世界の新しい潮流に乗り遅れたうえに、国産旅客機の開発にも失敗してしまいました。
LSAを活用して航空機産業の底上げ、航空従事者の育成が進む各国に対してLSAの活用を事実上放棄している日本は、世界からどんどん取り残されつつあります。
日本においては、昨年(2022年)末に航空法の一部が改訂され、厳しい制約のもとではあるもののLSAの飛行が認められるようになりましたが、とてもLSAが普及する環境ではありません。諸外国のように新たな免許制度の導入もないため、この日本だけがLSAの恩恵を享受できない状態なのです。これはたいへん不幸な状況だと言わざるを得ません。
日本は、旅客機生産への再参入を目指すのであれば、ブラジルの姿勢を見習うべきでしょう。将来の航空従事者確保という、避けることができない課題に向き合うためにも、LSA制度を全面的に受け入れていくこと以外、我が国に残された選択肢はないと筆者は断言します。
【了】
Writer: 細谷泰正(航空評論家/元AOPA JAPAN理事)
航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事
電動の航空機(グライダーも含む)も日本では飛べませんよね。
ボトムラインが貧弱なのに旅客機開発という頂上を目指しても無理があるのかなと。