軍艦が“瞬間移動” 乗員が発狂… 80年前の米軍極秘プロジェクトはやっぱり都市伝説なのか?

米海軍は2017年にも公式見解を発表

 一見すると、「フィラデルフィア実験」はあまりにも奇想天外な出来事と言えるでしょう。しかし、アメリカ軍が行った極秘実験というところで、様々な憶測を呼び、またオカルト的要素も加味され、今に至るまでまことしやかに伝えられています。

 なお、1996年には、海軍リサーチオフィスが改めて公式見解を出しており、そこでは「フィラデルフィア実験」にかんする都市伝説的な内容について、磁気機雷や磁気魚雷への対策としての消磁(鋼製船が自然と帯びる磁気を消す作業)実験や、高周波発電の実験など、実際に行われた実験に対する一部の人々が生んだ妄想が原因ではないかと説明しています。

 さらに2017年には追加の情報も発表され、被験艦となった「エルドリッジ」は一度もフィラデルフィアに入港した記録がなく、しかも実験が行われた時期にはニューヨークにいたという詳細まで公表しています。

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第2次世界大戦中の1944年に撮影された護衛駆逐艦「エルドリッジ」(画像:アメリカ海軍)。

 アメリカ海軍の公式記録によると、護衛駆逐艦「エルドリッジ」は第2次世界大戦中の1943年7月25日にニュージャージー州ニューアークで進水、1か月後の8月27日に就役しています。当初、地中海方面へと向かう輸送船団の護衛に9回従事。その後、太平洋戦域に転属して大戦末期には沖縄方面で行動していたとのこと。

 1945年8月に大戦が終結すると、翌年1946年6月17日に退役し、保管中の1951年に再整備されてギリシャ海軍に引き渡され、「レオン」に改名したうえで再就役。1992年に同海軍を除籍されています。

 こうして見てみると、実際の「エルドリッジ」は就役からギリシャでの除籍まで約半世紀にわたって使われ続けた「名艦」であったと言えるでしょう。

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