駆逐艦「冬月」竣工-1944.5.25 戦艦「大和」随伴で沖縄へ 奇跡の帰還ののち防波堤に!?

旧日本海軍の駆逐艦「冬月」が1944年の今日、竣工しました。特徴は高角砲や機銃を多く装備し対空火力を高めたこと。ただし沖縄への水上特攻作戦を除くと、戦闘の機会はほとんどありませんでした。

生き抜いた沖縄特攻

「冬月」は4月6日、「大和」ほか軽巡洋艦や駆逐艦8隻とともに沖縄へ向けて出撃。しかし翌7日正午過ぎ、艦隊は沖縄近海のアメリカ軍空母が発進させた艦載機の猛攻にさらされます。

 各艦が次々と被弾する中、「冬月」の損害は軽微でした。またアメリカ軍の戦闘記録に「防御砲火制圧のため、『大和』以外の護衛艦艇にも攻撃を分散せざるを得なかった」とあることから、増強した対空火器が奏功したのかもしれません。

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水上特攻として沖縄へ向かう途中、戦艦「大和」(写真奥)を護衛する駆逐艦「冬月」(手前)。「涼月」とする説もある(画像:アメリカ海軍)。

 ただ2時間以上におよぶ激戦の末、「大和」など計6隻が撃沈されました。特攻作戦は中止され、残った艦は佐世保への帰投が命じられます。「冬月」は「大和」などの生存者を救助し、本土を目指しました。

 佐世保で修理を受けた「冬月」でしたが、周囲の港湾はアメリカ軍が投下した機雷に阻まれており、軍港に留め置かれることが多くなりました。その最中の7月下旬、襲来したB-29爆撃機に「冬月」が砲撃。1機撃墜を記録しています。

「冬月」は終戦を迎えました。しかしその直後、ふ頭で機雷に触れ大破してしまいます。沈没は免れた「冬月」は工作艦となり、門司港の機雷除去任務に従事しました。

 1948(昭和23)年3月、「冬月」は同型艦「涼月」とともに船体を残して解体。船体は北九州市若松区にある若松港の防波堤として転用されました。現在はコンクリートに埋没してしまったものの、案内板でその場所をうかがい知ることができます。

【了】

【写真】戦後、廃棄直前の「冬月」

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