「なぜ“失敗作”を…?」幻の国産旅客機MSJ、あえて展示する“真の狙い”とは!? 「日本の翼」開発史を繋ぐ“一手”に?

愛知県の「あいち航空ミュージアム」が、国産旅客機「三菱スペースジェット」の展示準備のため休館に入りました。開発が頓挫した“悲運の旅客機”をあえて展示する狙いはどこにあるのでしょうか。

愛知県と飛行機は深い関係があるので

 2026年6月より、愛知県の「あいち航空ミュージアム」が休館に入りました。悲運に終わったリージョナル旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の展示へ向けて“模様替え”をするためです。MSJは多額の費用を注ぎ込んだ国家プロジェクトともいえるものでしたが、開発が挫折し実用化も叶わず幕切れとなりました。いわば、「失敗作」をあえて展示する狙いはなんなのでしょうか。

Large 20260615 01
あいち航空ミュージアムの展示の様子(相良静造撮影)。

 三菱スペースジェットは旧名称を「三菱リージョナルジェット(MRJ)」として、2008年3月に三菱重工が事業化を発表。実用化されれば「初の国産ジェット旅客機」となるはずでした。

 MSJはボーイングやエアバスの旅客機より小さい、100席以下の機体サイズが設定された機体で、海外の小都市間を結ぶ路線に需要があると見込まれて事業化され、一時は採算ラインとされる400機以上を受注したものの、6度の延期を経た末に航空会社へ1機も納入することなく、2023年2月に三菱重工業は開発からの撤退を発表しました。

 いわば、“幻の旅客機”ですが、ミュージアムには2020年1月に完成した試験用の10号機が展示されます。休館を前に筆者はミュージアム設置者となる愛知県へ展示の意義や内容について知りたく問い合わせました。

 県からの回答では、現在のところ機内公開の有無や展示後の維持整備の手法、どのような付属展示物を揃えるかなどは「関係機関と調整を進めているところ」とあったものの、展示の意義については、「愛知県にゆかりのある展示は、国産旅客機開発への挑戦の歴史を後世に伝えるという大きな意義があると考えています」とのことでした。

 回答はさらに、ミュージアムで既に展示されている戦後初の国産旅客機YS-11との“コラボレーション”にも触れています。「(一緒の展示は)日本の旅客機開発の挑戦と歴史を同時に紹介でき、これは、両機種と深い関わりを持つ県営名古屋空港内にあるミュージアムだからこそできる貴重な機会です。展示を通じて、来館した子どもたちが将来の航空機開発を担い、日本の航空機産業の発展につながることを期待しています」と添えられてもいました。愛知県は航空機関連の企業は多い土地柄ゆえに、展示は地場産業の振興に効果があると判断したと言えます。

【写真】えっ…これが「幻の国産機」MSJの現在の姿です

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  3. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  4. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  5. 海自「イージス艦の相棒」が火を噴いた!ミサイル発射の瞬間を防衛省が公開 “強力な防空能力”を持つ汎用護衛艦
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開