「宇宙戦艦」かよ!? 来日したイタリア艦、驚愕の近未来ぶり ブリッジはほぼ“コックピット”
インド太平洋での任務の一環として、横須賀に寄港したイタリア海軍の最新鋭艦「フランチェスコ・モロシーニ」。先日、その艦内が報道陣に公開され、未来的なブリッジと操縦席を見学してきました。
横須賀に戦後初めて来たイタリア軍艦
2023年6月21日の朝、神奈川県にある海上自衛隊横須賀基地の埠頭に、明るいグレーに塗られた見なれぬ形状の艦船が接岸しました。この船はイタリア海軍のパオロ・タオン・ディ・レヴェル級哨戒艦(フリゲート)の2番艦「フランチェスコ・モロシーニ」です。
船体側面に「P431」という艦番号を描いた同艦は、昨年(2022年)10月に就役したばかりの最新鋭艦で、今年の4月に北イタリアのラ・スペツィア海軍基地を出港。その後、インド洋および西太平洋において各国海軍と共同訓練などを行いつつ東進。6月11日にインドネシアのマッカサル港を出港して、親善と乗組員の休養を兼ねてこのたび日本へ来航しました。
パオロ・タオン・ディ・レヴェル級は、今世紀になり海外派遣などにより任務の多様化が進んだことから、他目的に対応できる多機能な哨戒艦として開発されたもので、1番艦「パオロ・タオン・ディ・レヴェル」(艦番号P430)は2022年3月に就役しています。
武装により哨戒型から、中間型、重武装型と3つのタイプに分けられ、今回来航した「モロシーニ」は、一番軽い哨戒型となります。ちなみにこの艦名は17世紀の海洋国家であったヴェネチアのドージェ(総督)で、就任前にトルコとの戦争に勝利した英雄の名前が由来です。
横須賀基地に接岸した翌日の6月22日、この日は11時から報道各社や雑誌社に対する艦内見学ツアーが行われ、イタリア軍関係の書籍などを多数手がけている筆者(吉川和篤:軍事ライター/イラストレーター)もさっそく参加してきました。イタリア艦の横須賀基地への来航は戦後初であるため、これは生のイタリア海軍に触れられる貴重な機会と言えるでしょう。
乗船後は最初にブリッジまで階段を上り、中央で黒い暗幕に仕切られたCIC(戦闘指揮所)に通されます。ずらりと並んだ各種機器のモニター電源は落としてありますが、前方のスクリーンモニターには「モロシーニ」のイメージ映像が投影されていました。
その前で艦長であるジョヴァンニ・モンノ中佐とジャンルイジ・ベネデッティ駐日イタリア大使がスピーチした後、スライド映像を使ってモンノ艦長による同艦の詳細な解説が改めて行われました。
油漏れ…