何がスゴイ? 米海軍の最新鋭イージス艦 “75番艦”にして新世代へ レーダーに革命!

アメリカ海軍の最新鋭イージス艦「ジャック・H・ルーカス」が引き渡されました。1990年代から続く同型艦における“新世代”の1番艦は、外観こそあまり変わらないものの、中身は大きく異なるようです。

違いその2 搭載するイージス・システム

 続いて、搭載されているイージス・システムのバージョンの違いが挙げられます。イージス・システムとは、レーダーで探知した目標の脅威度を判定し、ミサイルを誘導して撃墜するという一連の流れを自動化した高度な防空システムのこと。脅威となる多数の目標へ同時に対応できる、まさにイージス艦の中核ともいうべきものです。

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防空ミサイルに使われている、レイセオン社製の最新鋭艦載レーダーである「SPY-6(V)1」(画像:レイセオン)。

 このイージス・システムは、1980年代の登場以来、幾多のアップデートが重ねられてきました。そして、これまでのイージス艦にインストールされているもののうち、最新のバージョンは「ベースライン9」と呼ばれるものです。一方で、フライトIIIではそれよりも新しい「ベースライン10」と呼ばれるものがインストールされています。

 ベースライン10における最大の特徴は、レーダーの情報処理ソフトを含むいくつかの中心的な機能が、イージス・システムからSPY-6側に移行されているということです。

 これまで、SPY-1Dは独自の情報処理装置を持っておらず、敵の探知や脅威度の判定などはSPY-1Dと連接しているイージス・システムの仕事でした。しかし、ベースライン10とSPY-6の組み合わせでは、SPY-6で独自に処理されたレーダー情報がイージス・システムに送られるという仕組みになっています。これにより、イージス・システムとは独立してレーダーの性能向上が可能となり、探知距離の延長や新たな機能の実装が容易になるとみられています。

 フライトIIIと従来のアーレイバーク級とを、外観のみで見分けることはなかなか難しいですが、しかしその中身は大きく異なっているのです。

【了】

【デカっ…】「ジャック・H・ルーカス」に搭載されたレーダー

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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