「これからは航空事業だ!」世界の海運大手が航空貨物に続々進出 両刀使い定着の会社も 日本は?
日本唯一の貨物専業航空会社NCAは、もともと日本の大手船会社が主導して設立された航空会社です。世界的にはそのようなケースはいくつかあるようで、最近も設立されています。
2021年に設立されたばかりの新参企業
日本郵船からANAホールディングス(ANA HD)の子会社になることが決まったNCA(日本貨物航空)。同社は大手船社の日本郵船、商船三井、川崎汽船などの主導で設立されたこともあり、郵船グループ入り前から海運会社が経営に関与してきました。ただ、世界を見渡すと海運会社が航空貨物事業まで行っていることは特段、珍しいことでもなく、中には独自の機材を運用しているところもあります。
その代表例として、航空貨物事業に参入したいくつかの大手コンテナ船社を見てみましょう。
フランスのコンテナ船社CMA CGMが貨物航空会社としてCMA CGMエアカーゴを立ち上げたのは2021年3月のこと。同社はエアバスA330-200F貨物機4機を購入し、ベルギーのリエージュ空港を拠点にニューヨークやドバイ、ベイルート、イスタンブールなどとの間を結ぶ航空路線を開設しました。
続いて航空貨物部門を拡大するため、最大積載量102tのボーイング777F型貨物機2機を導入。現在はフランスのシャルルドゴール空港をハブに、アブダビ(UAE)、ムンバイ(インド)、香港、広州、上海といった中東・アジア路線を展開中です。またCMA CGMは、エールフランスKLMマーティンエアーカーゴに出資するとともに、長期的な戦略的提携を結んでおり、同社の貨物機だけでなく旅客機のベリースペース(貨物室)も活用しています。
同社はネットワークのさらなる拡大を目指し、2026年までに貨物機(フリート)を12機まで増強する計画を立てており、この中にはボーイング777F型2機とエアバスA350F型貨物機4機が含まれています。特に後者はボーイング747F型貨物機と同じ109tのペイロード(積載量)を持ちつつ、運用コストを最大40%削減できる経済性を兼ね備えているため、CMA CGMエアカーゴでは同機について、長距離輸送サービスを強化する上で必須の機材として位置づけています。
コメント