対中国のカギ握る? 日本がパプアニューギニア支援に注力する理由 “部族国家”ならではの苦労も

日本はパプアニューギニアへ対する、オーストラリアに次ぐ2番目の援助国です。とりわけ自衛隊は施設機械整備と軍楽隊育成を行っていますが、言葉の壁だけでなく文化や考え方もまるで違い、自衛隊員は苦労しているようです。

インド太平洋には中国の影が

 この事業はパプアニューギニアからの評価と期待が非常に高く、研修規模の拡大を要望されています。2023年度は実質13日間の日程ですが、昨年の成果を反映して教育期間を3日間増やしたほか、日課時限も6時間から8時間へ、教育時間も70時間から100時間になっています。来年度はさらに増やす予定だそうです。

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2022年に行われた座学の様子。教材は英語が使われている(画像:防衛省)。

 昭和の時代に唄でも歌われたほど、太平洋地域の一員として日本とパプアニューギニアの関係は地政学的にも重要で、現代では昭和の時代とは違った係わり方が特に重要になっています。安倍元首相が提唱して国際的に定着した「自由で開かれたインド太平洋戦略」の考え方は、覇権主義的な中国の動きを強く意識したものです。

 能力構築支援事業をインド太平洋地域の各国と行うことは、相手国軍隊の能力向上を図り、ひいては地域の安定や国際平和に寄与する役割を果たすことにつながります。また、日本にとっても望ましい安全保障環境を創出する効果が期待されます。

 もうひとつの軍楽隊の能力構築支援事業は、安全保障に直接寄与しないようにも感じますが、2018年にパプアニューギニアで開催されたAPECで、軍楽隊は各国首脳への儀仗や接遇任務を完遂しました。国家としての矜持を大いに高めることに貢献できた事業です。日本は物資や資金の「モノ」を支援するだけでなく、軍楽隊育成や予防保全の考え方など地道に「ココロ」も支援して、中国との差別化をしたいところです。

【了】

【写真】ラバウルを飛び立つゼロ戦

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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