対中国のカギ握る? 日本がパプアニューギニア支援に注力する理由 “部族国家”ならではの苦労も

日本はパプアニューギニアへ対する、オーストラリアに次ぐ2番目の援助国です。とりわけ自衛隊は施設機械整備と軍楽隊育成を行っていますが、言葉の壁だけでなく文化や考え方もまるで違い、自衛隊員は苦労しているようです。

壊れるまで使い続けては…ダメ!

 同国は土木建築産業が発展途上であり、軍の工兵隊は本来の軍工兵任務のほか、社会インフラの整備や多発する災害復旧などで大忙しです。そのためパプアニューギニア陸軍は、約3300名のうち工兵隊に1個大隊(350~400名)を組織し、基幹となっている2個軽歩兵大隊に次ぐ規模で編制しています。一方で軍の予算は少なく、装備品(重機)も足りていません。重機を支援で渡すだけではなく、稼働率を向上させるのが本事業の目的です。

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油圧ショベルに上って機関部の点検を行う。私服で白ヘルメットの人物は、ビジン語の通訳。つきっきりで奮闘していた(月刊PANZER編集部撮影)。

 しかし技術を習得すれば稼働率が向上するというほど話は簡単ではありません。指導を担当する自衛隊員は、まずは文化的な考え方、感覚の違いをお互いに理解する必要があるといいます。そもそも日本で定着している、故障させないために日ごろから整備する「予防保全」という概念が希薄で、壊れるまで使い続け、壊れてから修理するという考えが身についてしまっているのだそう。自衛隊は、その感覚を変えていくことから始めたそうです。

 また、お国柄というものも考慮しなければなりません。パプアニューギニアは1万近くの島嶼、険しい山岳地帯という国土特性から、独自の文化・言語を持つ部族の集合体で構成されており、世界で最も言語の豊富な国といわれているほど。ちなみに公用語は英語ですが、4名の研修生はビジン語と呼ばれる言葉を使い、英語とよく似ていますが通訳を介さなければなりません。

 同国は国民というより部族という意識の方が強いため、その配慮も求められます。同じ工兵部隊において「あいつの部族は日本に行ったのに、うちの部族からは何でまだなんだ」といったいさかいが起こらないよう、軍の編制だけで事を進めるのではなく、出身部族も考慮しなければならないそうです。

【写真】ラバウルを飛び立つゼロ戦

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