とうとう残存率10%未満に… 消えゆく国鉄型205系 幅狭い“ストレート車体”もはやレア?
国鉄型らしくない顔立ちのワケ
205系の前面外観の特徴は、帯の中に備わった丸いヘッドライトと、そのすぐ下に配置された同じく丸いテールライトでしょう。窓枠や表示器の更新、スカート(排障装置)の増設など細かい改造はあったにせよ、上述の特徴を“原型”と呼ぶならば、2023年7月現在もそれを保っているのは奈良線のみです。残るJR東日本の205系は全て、先頭車両は中間車両の改造車であり、ライト類は窓上に移設されています。
それもそのはず、車両は山手線や埼京線などの“お下がり”だから。山手線を例にすると11両編成(205系導入時は10両)と長く、加えて編成数も多かったため、中間車がたくさん存在したのです。逆にいえば、各線区へお下がりを転属するにあたり、1編成から2両しか捻出できない先頭車両は不足してしまうので、中間車両を改造し間に合わせたのでした。
冒頭で触れた通り、南武支線では9月から、鶴見線では冬にも後継車両での運行が順次始まります。するといよいよ205系が見られる路線は、2023年7月時点で置き換えの公式発表がなされていない奈良線と仙石線のみになるでしょう。
ただ改めてプレスリリースを見ると、気になる点があります。南武支線、鶴見線ともに、導入される後継車両の本数が、現行で運用される205系よりも1本ずつ少ないのです。
これについてJR東日本 横浜支社は、「南武支線で使用されている205系に関しては、3編成あるうちの2編成を新潟地区から転用したE127系に置き換えます。残る1編成はE127系と併用していきます。(鶴見線に関しては)列車のダイヤやご利用状況を踏まえ、製造する車両数を決定しました。E131系8編成で205系9編成を置き換える形になります」と回答しました。
南武支線の205系は、実はまだしばらく安泰なのかもしれません。
【了】
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