“座席鉄”が見る「スペーシアX」コックピットラウンジ&プレミアムシート 素晴らしいところ、残念なところ

プレミアムシートの素晴らしさ

 2号車は1+2列でリクライニングシートが並ぶ「プレミアムシート」です。浅草~東武日光間だと、スタンダードシートに対して580円高い料金ですが、それでも運賃との合計は3920円です。JRの料金体系で特急グリーン車を利用すると6470円の距離ですから、格安といえます。

 座席間隔は120cm。バックシェルが付くため、リクライニングに気を使う必要がありません。リクライニング角度は16度で必要充分です。座席幅は50cm。新幹線グリーン車の座席間隔116cmや座席幅48cmを上回るゆとりがあります。

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プレミアムシート(安藤昌季撮影)。

 座席は、リクライニングと連動して座面が最適な角度を保ち、どんな角度でも快適に着座できます。背もたれに読書灯と枕も付いています。肘掛にはドリンクホルダーとインアームテーブル、コンセントが装備されており、座席背面には小物入れがあります。

 気になる点としては、窓が小さいので車窓が見えにくいこと。スタンダードシートと同じ横幅80cmの窓で、窓間の柱幅が30cmから40cmに増えたため、解放感が減っています。かつての「デラックスロマンスカー」では、柱の幅は14cmで、側窓の横幅は広く取られていたのですが……。

 また、2時間乗車した実感としては、フットレストやレッグレストを設けてほしいということ。実際、靴を脱げた方が疲労が溜まらないので、あった方が助かると感じました。

 台車にフルアクティブサスペンションが採用されているためか、振動は抑え目です。「スペーシアX」の設備としては、かなりオススメといえます。

 今回はミドルクラスを紹介しました。ほかの設備は別記事で紹介します。

【了】

【え…】これがフード・ドリンクメニューです

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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