“座席鉄”が見る「スペーシアX」 スタンダードシート&ボックスシート 33年の進化実感 ただ好みも分かれる?

東武鉄道の新型特急「スペーシアX」が運行開始しました。6種類ある接客設備に“座席鉄”の筆者が実際に乗車し、その設備の特徴を紹介します。まずは「スタンダードシート」「ボックスシート」です。

スタンダードシートを利用して

 東武鉄道の豪華特急「スペーシア」のブランド名を継ぐ新型特急として、2023年7月15日より運行開始した「スペーシアX」。6種類ある接客設備は、国内特急でも有数なバリエーションであり、それぞれ特色がある設備です。

“座席鉄”である筆者(安藤昌季:乗りものライター)は早速、営業列車に乗車。6種類の設備全てを体験したので、その座席やサービスの特色について紹介していきます。

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スタンダードシート(安藤昌季撮影)。

 まずは6両編成の3・4・5号車を占める、最も数が多い「スタンダードシート」。それまでの特急「スペーシア」「リバティ」で浅草~鬼怒川温泉間を利用すると、特急料金は1650円でしたが、「スペーシアX」ではスタンダードシートでも290円増の1940円です。

 座席間隔は110cmで「スペーシア」と同じ。座席は2+2列の回転式リクライニングシートで、座席幅は45.7cm、リクライニング角度は15度あります。前作「スペーシア」の座席幅46cm、リクライニング角度17度とほぼ同じです。

「スペーシア」より明らかに優れているのは、前の座席の背もたれに背面テーブルとドリンクホルダー、コンセントが備わっていること。ただし背もたれの背面に付いたコンセントは、座席を向かい合わせにすると使えないので注意が必要です。さらに、空気清浄機も新たに備わりました。

 肘掛内にもテーブルがあり、鹿沼組子の意匠である六角形を踏襲しているなど、デザイン面でのこだわりを感じます。落ち着いた配色で、インテリアには高級感があります。

 座席はリクライニングさせた時に、座面の後方が少し下がります。また、モケットに滑りにくい素材が使われていることもあり、背もたれを倒しても体が滑らないつくりです。背もたれも、下から中央までは斜めに、中央から上はやや垂直と、背骨のラインと合致して快適。中間肘掛もあり、使わない時は跳ね上げることもできます。

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