戦車の砲塔は“ひとつ”がベスト― 2本3本つけた「多砲塔戦車」作って分かった当たり前すぎる欠点
戦車といえば、中央に砲塔が一門あるのが100年以上にわたり定番の形です、砲塔が沢山あった方が有利そうですが、なぜそうならなかったのでしょうか。
砲が沢山あれば有利と昔は思われていた?
戦車といえば、中央に砲塔が一門あるのが100年以上にわたり定番の形となっています。しかし創作物では、砲塔を多数載せた、もしくは砲身を複数装備する戦車も登場します。その方が火力は出るではと思うかもしれませんが、そうした多砲塔の戦車は現実にも生まれ、廃れていきました。
今から約100年ちょっと前、第1次世界大戦で戦車が初めて運用されたときは、360度回転する旋回砲塔がなかったため、死角を補うため車両の様々な部分に砲がついていました。しかし1917年にルノー FT-17軽戦車が登場すると、前述した旋回砲塔が主流となり、段々と戦車は現在のような形になっていきます。
それでも、戦車を陸上の船に見立て、火力でものをいわせようと設計思想は残り、1925年にはイギリスが多砲塔の「インディペンデント」という重戦車を開発。これが、世界初の多砲塔戦車といわれています。合計5門もの砲塔を持っており、イギリス軍はこの戦車を使用し、歩兵の支援なしで単独で敵陣を突破するというかなり強気な計画をたてていました。
この戦車に刺激され、ソビエト連邦、フランスのほか、日本も多砲塔の戦車を開発するようになります。しかし、いざ作ってみると問題が明らかとなります。
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