“本州で”九州新幹線「つばめ」に乗れる!? 1日1本のレア列車を体験 需要はあるのか?
なんと終点まで追い抜かれない
博多駅からは九州新幹線の区間です。アプリで計測すると、新鳥栖駅までは130km/hで走る時間が長く、在来線特急のようです。全長11.8km、35パーミルの勾配がある筑紫トンネルに入るとアプリが停止しましたが、200km/h程度で走っているようです。
11時50分、新鳥栖駅に到着。3人が乗車します。新鳥栖~久留米間は距離が5.7kmと近いため、最高速度は150km/h程度。京成スカイライナーのような速度感です。
久留米駅には11時55分着。10人が乗車します。次の築後船小屋駅までは15.9km。新幹線としては短い距離ですが、最高速度は251km/hを記録し、さすがは加速性能に優れた全電動車、新幹線で最高出力を誇る九州新幹線N700系は違うなと感じます。
12時2分、筑後船小屋駅に到着。ホームは閑散としており、2人が乗車しました。追い抜き可能駅ですが、「つばめ321号」は一度も抜かれずに進みます。
次の新大牟田駅までは、11.8kmの距離。最高速度210km/hで走ります。山陽新幹線で最も駅間距離が近い新尾道~三原間が10.5km、東海道新幹線では熱海~三島間が15.9kmですから、各駅停車の九州新幹線は、かなりこまめに停車する印象があります。
新大牟田駅12時8分着。あと2駅で終点ですが、5人乗ってきます。先頭車両の窓からホームにいる人数を数えているため、下車客は見えにくいですが、少なくとも1人が下車していきました。
田園風景の中を新幹線は進み、最後の途中停車駅である新玉名には12時16分着。3人が乗車しました。
そして12時25分、終点の熊本駅に到着。列車からは100人以上が降りていきました。乗車していたのは160人程度なので、大半の乗客が熊本駅まで利用したということになります。
各駅停車タイプながら「つばめ321号」は、結局最後まで追い抜かれることはなく、速達性は十分に高い列車なのでしょう。1時間15分の旅は終わり、方向幕は「回送」となりましたが、N700系はお昼寝でもするように、しばらくそこに留まっていました。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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