「丘珠」「佐賀」の2空港が滑走路延伸へ…なぜ? ともに「大空港の隣の小空港」も異なる狙い
丘珠・佐賀の滑走路延伸、それぞれの理由とは?
丘珠空港の滑走路延伸におけるメインの狙いは、現在は夏季のみの運航にとどまっているリージョナル・ジェット機を冬季にも道外から就航させ、通年での航空ネットワークを充実させること。同じように、道都札幌市にある空港として、医療支援のため遠方へ医師を派遣するといった、道民の生活充実も目指しています。
一方、佐賀空港は延伸によって、アジアの航空会社にも滑走路の長さを気にせず就航してもらうことができる、という考えがあります。アジア地域との路線網を充実させて佐賀県の経済活性化を目指しつつ、混雑する福岡空港を補完し、“受け皿”となる狙いも視野に入れています。この補完は長期的に見ると、福岡空港から佐賀空港へ就航便をシフトさせる戦略も秘めていると伝えられてもいます。
地方空港は1990年代から2000年代に全国で整備が相次ぎましたが、1998年に開港した佐賀空港も、このうちのひとつです。それから四半世紀、滑走路延伸の要望は、地方空港が機能をいっそう充実させようと、再び動き出そうとしていることを想像させます。
丘珠空港については、延伸実現の目標を2030年と定めています。道内医療の貢献を考えれば、関係者の願いは理解でき、ほかの地方空港の整備へ参考になる可能性もあります。
一方、延伸で便数が増えれば、騒音も増えるため、地域の理解が必要です。佐賀空港の方は、通常のヘリコプターと異なる特性を持つオスプレイが配備されるだけに、陸自と民間機の双方に支障のない発展が望まれます。
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Writer: 加賀幸雄(旅行ライター)
日本各地の名産や景勝に興味があり、気ままに目的地を決めて2泊3日程度の 小旅行を楽しんでいる。
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