国産と輸入どっちも必要!? 自衛隊の新たな「戦闘車両」なぜ2車種調達 実のところ“たまたま”?

令和6年度防衛予算の概要で調達が明記された共通戦術装輪車と次期装輪装甲車。両方とも8輪駆動の装輪装甲車で、よく似ているため、区別がつきません。なぜ両方必要なのでしょうか。

16式機動戦闘車がベースの共通戦術装輪車

 即応機動連隊とは、2018(平成30)年から新編が始まった新しい部隊です。これまで他国で言うところの歩兵部隊が主軸であった普通科連隊は、必要に応じて野戦特科(いわゆる砲兵)部隊や戦車部隊などを増強して、「戦闘団」と呼ばれる諸職種協同のコンバットチームを臨時で編成し、任務を完遂しようとしていました。

 しかし、このような形だと、普段は別々の部隊であるため、常日頃から連携をとっているわけではありません。しかも複数の部隊から必要な人員・装備を集めるため、戦闘団(チーム)を立ち上げるまでに時間がかかります。

 そういったデメリットを解消しようというコンセプトのもと、生まれたのが即応機動連隊です。略して「即機連」などと呼ばれるこの連隊は、指揮下に野戦特科職種の火力支援中隊、高射特科職種の高射小隊などを持っているのが従来の普通科連隊の違いですが、最も注目なのが、連隊内に機甲科職種だけで編成された機動戦闘車隊が設けられている点です。

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共通戦術装輪車のベースとなった16式機動戦闘車(武若雅哉撮影)。

 機動戦闘車隊は16式機動戦闘車を運用していますが、同車はタイヤ駆動の車体に戦車同様の大砲と全周旋回可能な砲塔を備えているのが特徴で、性能的には「装輪戦車」と呼べる装備です。

 トラックと同じスピードで全国展開可能ながら、戦車と同じ攻撃力を持つということで、戦車を補完する新戦力として全国の師団・旅団に配備が進められています。

 一方、偵察戦闘大隊とは、従来あった偵察隊よりも、偵察能力と戦闘能力を強化した部隊です。こちらも即応機動連隊と同じく16式機動戦闘車を装備しているため、偵察しつつも、何かあれば敵に一撃を加えることができます。さらには、即応機動連隊が展開した後の地域に進出し、防衛上の空白地帯を作らないよう動くことも任務の中に入っています。

 これら全国に即時展開できる部隊に必要とされたのが、三菱重工製の共通戦術装輪車です。前述した即応機動連隊や偵察戦闘大隊には現在、96式装輪装甲車が配備されていますが、実質的には共通戦術装輪車が96式装輪装甲車の後継となる計画です。

 共通戦術装輪車には、30mm機関砲を搭載した歩兵戦闘型、120mm迫撃砲を搭載した機動迫撃砲型、そして偵察能力を与えた偵察戦闘型の3種類が開発されています。

 共通戦術装輪車の特徴といえば、これら3つの車種に絞ったことによって、即応機動連隊と偵察戦闘大隊の戦闘力を補完するために必要な要素がコンパクトにまとめられたことであるといえるでしょう。

【見た目ソックリ?】北欧生まれの新型戦闘車両「パトリアAMV」ほか(写真)

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