日本一速い新幹線「のぞみ64号」 6分延で博多発 遅れは…余裕で取り戻しちゃった!
東海道・山陽新幹線全線を走る定期列車で、最も表定速度が高いのは、博多発東京行きの「のぞみ64号」です。東京~博多間の「のぞみ」は多くが5時間で運行されていますが、この列車のみ4時間46分。速さの秘密を探るべく、乗車してみました。
JR九州の特急を待って出発 +6分
筆者(安藤昌季:乗りものライター)は2023年8月、「のぞみ64号」に乗車してみました。ただ当日は遅延した「リレーかもめ」を待ったため、定刻より6分遅い19時5分に博多駅を出発しました。
列車には通常「余裕時分」が設定され、多少の遅れは取り戻すことができます。しかし前述したように「のぞみ64号」は、ほかの「のぞみ」より平均12分程度速いダイヤですから、それだけ余裕時分がありません。つまり「のぞみ64号」が6分遅れを取り戻せた場合の運行速度は、「余裕時分ゼロの真の最速」となります。
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博多駅出発時の乗車率は、グリーン車が20%、普通車が40%程度でした。筆者はグリーン車に乗車します。遅延した「リレーかもめ」から乗り継いだので、駅弁などを買っている余裕はなく、慌てて乗り込みました。
幸い車内販売営業列車なので、ワゴンを探しに行き「柿の葉寿司」を購入します。夕飯時に運行されている列車ということで、すぐに売り切れたようでした。
しばらくしておしぼりが配られます。取材時は最新のN700Sで運行され、快適性がN700Aよりも向上した新型座席でした。
スマートフォンアプリで速度を計測してみます。297~299km/h程度であり、ほぼ最高速度で走っていました。下り坂なのか、アプリの誤差なのか、山陽新幹線の最高速度300km/hを超える瞬間も何度かありました。遅延時には、ATC(自動列車制御装置)の頭打ち速度である305km/hまで出すと聞いていましたが、308km/hが計測されてびっくり。誤差だとは思うのですが。
19時20分、小倉駅着。本来は19時14分着なので、ここでは遅れを取り戻せていません。食事をしている最中の19時53分に新岩国駅を通過します。
そして20時4分、広島駅着。本来は20時0分着ですから、2分短い44分で小倉~広島間を走破、同区間の表定速度は262km/hに達しました。これは「のぞみ」より速い最高速度を誇る「はやぶさ」の、速度制限がない仙台~盛岡間だけの表定速度263km/hに匹敵します。
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