「空母1円で買いませんか」実は多い事例 マンガみたいな「マイ空母」は可能なのか 国家がやった例も!?

格安で購入したとしてもその後が大変!!

 ただ格安に購入したとしても、維持管理費は別に発生します。アメリカ海軍の1円空母の場合、繋留代だけでも年間1000万円程度といわれています。上手く解体しないで持ち帰ろうとした場合、少なくとも曳航はできる状態を維持する費用も別に発生します。

 これに加え、仮に戦力化するとなれば、艦内や動力、飛行甲板などの修理も行わなければならないため、それこそ国家予算規模の資金が必要となります。さらに戦力化の可能性がある場合は、曳航中に海峡などの通行を許可されない場合もあります。

「遼寧」の場合も、トルコのボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過する際に、1年半以上の交渉を行い、数千万ドルもの保険料を払うことで、通行を許可されました。その後の再建化計画でもスクリュープロペラやプロペラシャフト、操舵装置も新たに設計されるなどの修理が行われ、膨大な資金が投入されました。

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中国人民解放海軍の空母となった「遼寧」(画像:防衛省統合幕僚監部)。

「遼寧」は中国人民解放軍海軍の軍艦として運用するという目的があり、膨大な国家予算が投じられたため、ちゃんと空母としての機能を持ちました。しかし、非正規軍がこれをやろうとするのは現実的には不可能でしょう。それこそ、『エリア88』のマッコイ爺さんか、『るろうに剣心』で非正規のテロ組織にも関わらず装甲艦を戦力化することに成功した、佐渡島方治クラスの交渉力と闇ルート把握がないと無理かと思われます。

【了】

【ホント!? 格安にもほどがある】これが1円で売却された空母たちです(写真)

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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コメント

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1件のコメント

  1. 6枚目の写真、F-8クルーセイダーではなく、A-7コルセアⅡに見えます。