「空母1円で買いませんか」実は多い事例 マンガみたいな「マイ空母」は可能なのか 国家がやった例も!?

マンガ『エリア88』では終盤に、建造途中で放置されていたエンタープライズ級原子力空母を、非正規軍の傭兵部隊が「空母エリア88」として戦力化する描写があります。現実でこのような無茶は可能なのでしょうか。

空母自体は売りに出されている!?

 マンガ『エリア88』では終盤に、建造途中で放置されていたエンタープライズ級原子力空母を、非正規軍の傭兵部隊が「空母エリア88」として戦力化する描写があります。作中では、主人公のシンが買い上げ、「ティッシュペーパーから核弾頭までなんでもある」と豪語する武器商人のマッコイ爺さんがモスボール(再利用を考えた状態での保管)状態だった同艦を上手く再生しました。

 

それにしても、非正規軍が空母を所有するなんてことは、現実に可能なのでしょうか。

Large 20230909 01
「遼寧」とするために曳航される空母「ヴァリャーグ」(画像:アメリカ海軍)。

 似たような例ならば2000年代に起きました、ソビエト連邦崩壊後ウクライナに建造途中で放置されていた空母アドミラル・クズネツォフ級の2番艦「ヴァリャーグ」を、中国人民解放軍海軍のペーパーカンパニーが海上カジノに改造すると偽り購入し、「遼寧」として2005年に改装し空母化した事例です。

 これは国家が企業を装って購入し、戦力化したものなので若干趣向が違います。しかし、空母を民間企業が買い取ること自体はそれなりにあります。ただ業者が買い取る目的は、艦を解体するためです。

 売却価格として最安値は、2013年10月の「フォレスタル」、2014年4月の「サラトガ」、2022年1月の「キティホーク」など、元アメリカ海軍の空母が1セント(約1円)で売られたという事例があります。ちなみに「キティホーク」を例に出すと、1961年に2億6400万ドルで建造された空母で、現在の貨幣価値に換算して約25億ドル(約2800億円)といわれていますので、破格のディスカウントだということがわかります。

 この大幅値下げは、船体にアスベストが含まれていたために行われました。ここまで下げないと解体業者が出てこないと判断されたのです。ほかの空母に関しても老朽化やドックの空きの問題で、民間に委託するため格安にしています。解体業者は解体した屑鉄などを売却し、お金にします。

 このように、空母を破格の値段で購入すること自体は可能なのです。アメリカ海軍の空母ほどでもなくとも、空母などの大型艦を格安で解体業者に売ること自体は珍しくありません。しかも他国の業者に売るケースも多く、2023年には、ブラジル海軍の空母「サンパウロ」がトルコの解体業者に売却されましたが、アスベストの問題でブラジルに送り返され、そのまま自沈処分したという騒動も起きました。

【ホント!? 格安にもほどがある】これが1円で売却された空母たちです(写真)

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. 6枚目の写真、F-8クルーセイダーではなく、A-7コルセアⅡに見えます。

  2. 廃艦する場合は少なくとも武器類や機械は解体されているので修理だけじゃ済まないですね

    基本は浮かぶ鉄屑状態のはずです

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  3. 「知らなかった!」SNSで話題に 高速道路の“2つ並んだ赤い三角コーン”、実は超重要な「ある合図」だった! NEXCO公式が投稿
  4. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  5. ロシアのミサイル部品工場が「大炎上」 ウクライナ軍の航空機から発射した巡航ミサイルが「直撃」か
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号