敵が同じ地雷使うかも…「戦車の表面ザラザラにしよう!」ドイツが考えた防御法 なぜ続かなかった?
コーティングに網目や縞々模様が入っているワケ
それはどういうものかというと、鋼鉄製の装甲板の表面に非磁性体のコーティングを塗布して、磁石を使った兵器が、装甲板に吸着できないようにするというものでした。このコーティングの開発には、建築材料などを手がけており、瀝青質のシーリングやコーティング材の製造を得意とするツィマー社があたりました。
主成分には、硫酸バリウムのような非磁性体の顔料の粉末が用いられ、これに増量と広がりをよくするため“おが屑”を混ぜます。加えて装甲板に塗るときの接着剤となるポリ酢酸ビニルも練り込むことで作られました。
開発したツィマー社にちなんで「ツィンメリット」と呼ばれるようになったこのコーティングは、1943(昭和18)年8月に制式化され、戦車や駆逐戦車などのAFV(装甲戦闘車両)に対して工場で出荷前に塗られるようになりました。ただ、ごく一部には前線部隊で塗られたものもあったようです。
使用が開始された初期には、装甲板に対してツィンメリットをベタ塗りしていました。ところがベタ塗りだと、装甲板への被弾時の衝撃で広範囲に剥離脱落することが判明します。そこで、ツィンメリットのコーティングにたくさんの溝を網目状や横線状に刻むことで、磁石の吸着を防ぎつつ、網目状や横線状の限定された範囲内での剥離で済ませ、ベロンと広範囲に脱落してしまうのを防ぐ工夫が施されるようになりました。
プラモでこれ再現する方法が模型雑誌を賑やかしていた時代有りましたね