ドイツ戦車が「角張りフォルム」を捨てたワケ 流線形みたいな「ティーガーII」に盛り込まれた"反省"とは
第二次世界大戦中に運用されたドイツ軍の重戦車「ティーガーI」と「ティーガーII」は、同じティーガー(虎)の名前を冠していながら、デザインは大きく異なります。
ドイツ戦車なのにカクカクではない「ティーガーII」
第二次世界大戦中にドイツ軍が運用した重戦車「ティーガーI」と「ティーガーII」は、同じティーガー(虎)の名前を冠していながら、その外見は似ても似つかないものになっています。なぜこのようにデザインが変わってしまったかというと、当時の戦争相手国であるソビエト連邦が関係しています。
「ティーガーI」が角ばったデザインなのに対し「ティーガーII」が傾斜が多いフォルムになっています。これは、「ティーガーII」が“避弾経始”を重視したため。装甲を傾斜させることで、徹甲弾などの対戦車砲弾の運動エネルギーを分散させ、逸らして跳弾(弾く)という発想の「傾斜装甲」を採用していることに影響しています。
元々は1920年代にアメリカで開発されたクリスティー戦車で考え出された発想ですが、この理論を発展させたのがソ連軍でした。ソ連軍は、避弾経始により防御力を向上しつつ、重量の軽減や鋼板の節約ができると考え、砲塔・車体ともに全周で避弾装甲を採用したT-34中戦車を1941年7月以降の独ソ戦初期から投入。機動性、火力、防御力に優れる同戦車はドイツ軍に衝撃を与えました。
この写真のティーガーのどこが角ばっていないというのだろうか?
傾斜しているだけで角ばっているのは同じだろうに