まだ“狂騒曲”? 「宇都宮LRT」開業2週間後に乗ってみた スピードアップしたら課題も
国内の路面電車としては実に75年ぶりの新規開業となった宇都宮芳賀ライトレール線。開業から2週間後に乗ってみたら、朝ラッシュ時には満員の風景も。一方で今後の課題も見えてきました。
70km/h運転を開始したら揺れ大丈夫?
乗ってみると道路の立体交差などがあり、思っていたよりも登ったり降りたりの勾配区間が多い印象でした。立体交差は一般道を走る併用軌道区間だけでなく、LRT専用の高架区間が一般道を跨ぐ立体交差も存在しています。
勾配区間のうち、一番の難所といえるのが芳賀町工業団地管理センター前~かしの森公園前に存在する「谷」です。河岸段丘に挟まれた「谷津(やつ)」と呼ばれる地形なのですが、最大で60パーミルという急勾配を下って登る形となっています。
そんな急勾配を苦もなく登っていくHU300形電車。実は登坂できる最急勾配は67パーミルという設計で、思った以上にパワフルなのです。
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音も静かで快適でしたが、少し気になったのは直線でスピードが乗った時、わずかに首を左右に振るような「蛇行動(そのうちでも車体蛇行動)」を思わせる横揺れがあったこと。現在は最大40km/hで運転していますが、将来的には一部区間で70km/h運転を予定しているので、スピードアップでこの横揺れがどう変化し、乗り心地に影響を与えるのかは検証する必要があるかもしれません。
新しく宇都宮・芳賀地域の足としてデビューした宇都宮ライトレール。将来は宇都宮駅の西部へと延伸する計画もあることから、今後どのように定着し、車など他の交通機関と共存していくのか、推移を見守りたいなと感じました。
【了】
Writer: 咲村珠樹(ライター・カメラマン)
ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。
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