「京王ライナー」に“世界初”の車両が登場 最新編成からの新機軸とは 実はちょいちょい進化してる!

今年度にも1編成が登場 気になる仕様は?

――今年度に「リクライニング機能付き5000系」をもう1編成導入されるそうですが、仕様変更はありますか?

 若干の変更を予定しています。登場を楽しみにしてください。

※ ※ ※

 インタビュー後、筆者は第7編成(5737F)で運行される京王八王子10時20分発「京王ライナー6号」に乗車しました。この日は休日で、先頭車両10号車の運転席寄り最前列は、親子連れが予約していました。5000系は運転席の後ろに大窓があり、最前列なら座っていても前面が少し見えますが、子どもだと難しいようです。ちなみに、同列車に毎回第7編成が充当されるとは限りません。

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車端部はロングシートモードで固定。座席幅はクロスシートより広い505mm(安藤昌季撮影)。

 また、音楽による出迎えが「京王ライナー」の魅力ですが、ボリュームは控えめ。休日の午前中ということで、乗客も多くありませんでした。意外だったのは、好きな座席が選べる状況で、ロングシート部分や景色があまり見えない側扉横の座席をあえて指定している人が多いことでした。

 クロスシートに座ると、新幹線普通車の座席間隔1040mmより広い1100mmのゆとりを実感します。リクライニング角度16度は、東武鉄道の豪華特急「スペーシアX」プレミアムシートと同じで、必要充分に倒れます。座面も滑りにくく、デュアルシート車としては最上位の座り心地。肘掛けの下にくぼみがあり、座席幅が広く取られている工夫もあります。

「京王ライナー6号」は府中駅を出るともう乗車はできず、新宿駅に直行します。乗車していた55名のうち、リクライニング機能を使っていたのは筆者を含めて10名で、認知度はまずまずでしょうか。車内モニターで機能の案内を入れたら、もっと利用されるように感じます。

 下車のみ可能な明大前駅で2名が下車し、新宿駅へ。第7編成(5737F)の快適性は素晴らしいものでした。惜しむらくは「デュアルシート兼リクライニングの5737Fが、いつ運行されるか分からない」ことです。京急のように車両運用を公開すれば、より認知されるのではないでしょうか。

【了】

【え…】「京王ライナー」車両の“世界初シート”です(写真)

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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