美味いし車両も面白い! 「レストラン列車」5選 JRから私鉄、三セクも負けてない!
近畿日本鉄道「しまかぜ」
定期特急列車の車内で、予約なしで料理が楽しめる「特急食堂車」のスタイルを受け継ぐ希少な特急列車です。カフェ車は2階建て。景色がよい2階席と、乗り心地がよい1階席を自由に選べます。松坂牛カレーや松坂牛重といった料理は暖かい状態で提供されます。特に、スイーツセットは言葉を失うほどの美味。
カフェ車以外の客室も非常に快適で、車窓も変化に富んで美しく、間違いなく“推せる”観光特急です。
■JR四国「伊予灘ものがたり」
JR四国には、レストラン列車として「ものがたり列車」が3種類走り、どれも劣らぬ素晴らしい列車ですが、ここでは代表格の「伊予灘ものがたり」を挙げます。
松山~八幡浜・伊予大洲間を基本とし、時期によっては延長運転もするスタイルですが、なんと1日に「大洲編」「双海編」「八幡浜編」「道後編」の4便が走り、かつそれぞれ料理が異なります。
車両は自社デザインですが、そのデザイン性は高く、著名デザイナーの手掛けた列車に勝るとも劣りません。特に3号車「陽華の章」は、1車両すべてがひとつの個室「フィオーレスイート」となっており、クルーズトレインを除けば日本一の専有面積を誇ります。
特筆すべきは予約制食事料金が安いことです。「大洲編」が3000円、「双海編」「八幡浜編」が5500円、「道後編」が3500円です。運賃・料金は別ですが、最長の松山~八幡浜間で利用しても合計1万円以下となり、大変リーズナブルです。お安くても食事の質はトップクラス。きめ細かいおもてなしと素晴らしい風景とで、列車の旅を心から楽しめます。
なお「フィオーレスイート」は個室料金1室3万3600円と高額ですが、最大8人で乗車できますので、8人グループなら1室4200円と割安感があります。専任アテンダントが添乗し、ウェルカムドリンクや陶器のカップを選べるなど特別なサービスもあります。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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