海自艦が米空母“護衛”も 自衛隊は「9.11」でどう変わったか 改められた“警察頼み”

アメリカ同時多発テロ事件は、軍事侵攻のみならず平時におけるテロ攻撃も脅威であると再認識させられた出来事のひとつでしょう。事件を受け、日本の自衛隊に見られた変化には何があるでしょうか。

「守り方」が変わった自衛隊施設

 アメリカ同時多発テロ事件によって、法律面にも大きな変化をもたらしました。その中でも代表的なものが、「自衛隊の施設の警護のための武器の使用」です。従来、自衛隊の施設の中で武器を使用して警護を行うことができたのは、武器庫など特定の部分に限定されていました。そのため、施設の大半は武器使用を伴わない形での警備ができるのみだったのです。

Large 20231006 01
2015年11月、アメリカ海軍の施設内でアクティブシューターが発生したという想定で、日米共同訓練が実施された(画像:アメリカ国防総省)。

 これは、自衛隊の施設に誰かが侵入してきたとしても、施設の破壊は容易ではなく、時間も要することから、警察による対応で事足りると考えられていたためです。ところがアメリカ同時多発テロでは、民間旅客機を使って、平時に民間人が軍事施設などに大規模な攻撃を仕掛けることが可能であると判明しました。そこで、そうした場合なども考慮して自衛隊法が改正され、平時から自衛官による武器を使用する形での施設警護が可能になったのです。

 また、自衛隊の施設や在日米軍の施設などに対するテロ攻撃が発生するおそれがある場合に、自衛隊の部隊を出動させてこれを警護させることができる「自衛隊の施設等の警護出動」という規定も、自衛隊法の中に新設されました。これにより、平時から大規模テロの発生が差し迫っているような場合にかけて、自衛隊の施設をしっかり警護できるようになったというわけです。

 現在でも、他国からの軍事侵攻のみならず、平時におけるテロ攻撃も日本の安全保障上の重大な脅威となっています。アメリカ同時多発テロという大事件を受けて、日本の安全保障法制は新たな時代を迎えたといえるでしょう。

【了】

【旅客機が突入して15日後】世界貿易センタービルの様子は

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス