「水素がガソリンより安い」時代はすぐそこ? カギを握る水素運搬船&川崎“水素の街”構想とは

川崎市の臨海部が「水素」の拠点になる見込みです。サプライチェーンの要となる海外からの液化水素の受け入れ拠点施設整備について、水素運搬のノウハウを持つ川崎重工が連携することに。水素が安価に手に入る時代が見えてきました。

水素の拠点は東西2か所に? 進むサプライチェーンの構築

 2023年9月には日本郵船、商船三井、川崎汽船が日本水素エネルギーの子会社であるJSE オーシャンへ第三者割当増資で資本参加し協業することで合意。2024年までに世界初の大型液化水素運搬船における安全で効率的な運航、将来性のある海上輸送事業スキームの検討を共同で実施し、商用規模の国際水素サプライチェーンにおける液化水素の海上輸送確立を目指すとしています。

 川崎重工はこのほか関西電力とも協業を行っており、こちらでは兵庫県姫路市での液化水素受け入れに関する調査・検討が実施されています。

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日本水素エネルギーの子会社、JSEオーシャンへの出資イメージ(画像:日本水素エネルギー)。

「日本におけるカーボンニュートラルは当社のみでは実現しない。国内だけではなく、海外を含む様々な自治体や企業との協力により、実現に近づけることができる」(原田本部長)

 カーボンニュートラルに向けた鍵となるエネルギーとして位置づけられている水素。大型の液化水素運搬船が東京湾に現れる日は意外に近いのかもしれません。

【了】

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Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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