「船で運べない?なら海底を走れ!?」トンデモ理論を実現させた「潜水戦車」意外な戦果とは
結局海ではなく川で使用された!?
車体そのものに改造はほぼなく、車体各部のハッチ類、砲の防盾基部、照準器用開口部、同軸機関銃開口部、車体銃開口部など、水が入り込みそうな穴にゴム製の防水シールを施したうえ、さらに転輪などの取付部やその他の微細な隙間にはグリースを塗り込んで水密化を施しました。
ある程度の深さから英仏海峡を潜り上陸することを想定し、水深15mまでの潜水が可能で、水中を移動中は、吸排気口に接続されたシュノーケルのような逆止弁のあるホースの先端にブイを装着することで、吸排気を行う方法がとられました。走行不能になった際の脱出用呼吸器具なども備えられていたようです。
結局ゼーレーヴェ作戦は中止になってしまい、英仏海峡で投入されることはありませんでした。しかし独ソ戦の序盤、渡河用にシュノーケルを固定式のパイプに変更するなどの改良が施され、戦場で使われることとなります。これら潜水戦車は独ソ戦初期のドイツ軍の快進撃を影で支えました。
ちなみに、現在ドイツ軍が採用している主力戦車「レオパルト2」にも、潜水機能が備わっており、通常で1.2m、シュノーケル装着時は4mまで潜ることができます。
【了】
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