F-16ついにベトナムにも? かつての敵アメリカと最大規模の武器取引 “脱ロシア兵器”の本気度

東南アジアの大国ベトナムが、かつての敵であるアメリカとの距離を急速に縮めています。“史上最大規模”という武器取引の交渉も開始。ロシア系兵器からの脱却は果たして“本気”なのでしょうか。

数年前から始まっていた「F-16いかがですか」プロモーション

 アメリカとベトナムの軍事的な結びつきは武器にも及んでおり、アメリカ政府は2019年6月に、ボーイングの子会社であるインシツが製造している偵察用UAV(無人航空機)「スキャンイーグル」6機の売却を決定しています。

 またアメリカ空軍は2021年6月にベトナム人民空軍との間で、地域安全保障協力と支援の戦略的プログラムの一環として、同空軍も練習機として使用しているテキストロン・アビエーションのターボプロップ練習機T-6「テキサンII」の供給でも合意しています。

 スキャンイーグルやT-6は直接戦闘に参加する武器ではありませんが、ロイター通信は今回アメリカとベトナムが行っている交渉には、直接戦闘に参加する武器であるF-16戦闘機が含まれていると報じています。

 ベトナム人民空軍は現在、ロシアから導入したSu-27「フランカー」戦闘機を11機、Su-27をベースに開発された多用途戦闘機Su-30MKVを35機、旧ソ連時代に導入したSu-22戦闘爆撃機を34機保有しています。ベトナム人民空軍では長年に渡って、ベトナム戦争にも投入されたMiG-21が主力戦闘機として運用されていましたが、2015年に退役しています。

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ベトナムへ寄港したアメリカの原子力空母ロナルド・レーガン。軍事的結びつきを強める象徴的な事例とされた(画像:アメリカ海兵隊)。

 同空軍はそのMiG-21を後継する新戦闘機の導入を検討しており、F-16は、スウェーデンのサーブが開発したJAS39「グリペン」と共に有力な候補機として名前が挙がっていました。

 このためF-16 のメーカーであるロッキード・マーチンは、アメリカとベトナムが正式な交渉を行う前からベトナムへF-16のプロモーション活動を行っています。その一環として2019年10月にベトナムの首都ハノイで開催された防衛装備展示会「DSEベトナム」と、2022年12月にかつてMiG-21が配備されていたハノイのザーラム空港で開催された防衛装備展示会「ベトナム・ディフェンス2022」で「F-16V」の大型模型を展示しています。

 F-16Vは高性能コンピュータの搭載や、探知距離の長いAN/APG-83 AESAレーダー、大型液晶ディスプレイを使用するグラスコックピットの導入といった改良が加えられたF-16の最新仕様機で、台湾やスロバキアなどにも採用されています。

【アメリカ=敵、のはず】これがベトナムで「国宝」になっている“伝説の戦車”です(画像)

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