F-16ついにベトナムにも? かつての敵アメリカと最大規模の武器取引 “脱ロシア兵器”の本気度

東南アジアの大国ベトナムが、かつての敵であるアメリカとの距離を急速に縮めています。“史上最大規模”という武器取引の交渉も開始。ロシア系兵器からの脱却は果たして“本気”なのでしょうか。

F-16導入、ベトナム人はどう思ってるの?

 筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)はDSEベトナムの取材で初めてハノイを訪問しましたが、市内の博物館の展示などを見て、ベトナム戦争でのアメリカに対する勝利は、一般的な日本人、少なくとも筆者が考えていた以上にベトナム人にとって大きな意味を持つものだと感じました。

 それ故に、DSEベトナムでF-16Vのプロモーションがしれっと行われていたことに筆者は違和感を覚えました。

 そこでDSEベトナムの会場を訪れていたベトナム人のマニアに、アメリカ製戦闘機をベトナムが導入することの是非を問うてみると、彼らは一様に「もしアメリカがF-16Vをわが国に売却してくれるのであれば、それは空軍戦力の強化はもちろん、アメリカとの結びつきを示すことで中国に対する防衛力が総合的にアップするので歓迎する」と述べ、筆者はその言葉に驚かされました。

 ベトナムは元の宗主国であるフランス、日本(大日本帝国)、アメリカ、中国といった軍事大国に一泡吹かせた歴史を持つ国ですが、それを成し遂げた原動力の一つは、不倶戴天の敵であったアメリカと、アメリカを象徴する戦闘機の一つであるF-16ですら、自国の利益になると思えば躊躇なく利用できる、良い意味での狡猾さにあるのではないかと思いました。

【了】

【アメリカ=敵、のはず】これがベトナムで「国宝」になっている“伝説の戦車”です(画像)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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