最後の「74式戦車」になぜシャチホコ? 滋賀の部隊なのに… 総本山はシャチホコだらけだった!
右向き&左向き 師団の正式な向きはドッチ?
立体物として駐屯地の中で最も立派に作られているのは、敷地奥にある厚生センターの入口にあるシャチホコでしょう。センターの正面入口は2階部分まで吹き抜け構造になっていますが、その上部には対のシャチホコが置かれています。ここのシャチホコ像は、目や歯の部分が白く塗られており、ディテール的には駐屯地内で一番リアルな物に仕上がっています。また、その下の床部分にもタイルで対のシャチホコが描かれています。
像以外にも、部隊章としてのシャチホコは駐屯地内のいたるところにあります。隊員食堂、野整備場、史料館、第35普通科連隊本部では建物の入口などに掲示されています。
ちなみにシャチホコといえば2つがお互いを見つめあうペアの形が一般的ですが、部隊章のシャチホコは右側を向いたものだけが使われています。なぜ、この構図かというと、この向きであれば左側の真っすぐになった腹部分が数字の「1」、丸めた背中の部分が数字の「0」をそれぞれ表す形になり、シャチホコの体形で師団のナンバーである数字の「10」を模った形を描けるからです。
今週末の10月15日(日)には守山駐屯地において「第10師団創立61周年記念行事・守山駐屯地創設64周年記念行事」が開催されます。自由に出入りすることのできない駐屯地の中に一般人が気軽に訪れることができるチャンス。もし機会があれば、守山駐屯地を実際に訪れて、中にいくつシャチホコがあるか、数え見比べて回ってみると面白いかもしれません。
【了】
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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