行きづらい「鳥取」最短ルート再起なるか 3セク優等生「智頭急行」赤字脱却プランとは
投資に対してしっかり利益!
智頭急行の収入の要は特急列車の通過であることから、高速化のための追加工事も行われました。こうして先述のように高規格な路線となったのです。そしてこの投資が、智頭急行に大きな利益をもたらします。
1994(平成6)年6月、智頭鉄道は「智頭急行」に社名を変更し、12月3日に智頭線が開業しました。保有車両は特急形車両のHOT7000系、普通列車用のHOT3500系です。HOT7000系は振り子機構を採用した気動車で、特急「スーパーはくと」として新大阪~鳥取間に2往復、新大阪~倉吉間に1往復が設定されました。JR西日本もキハ181系による「はくと」を、新大阪~倉吉間に1往復設定しました。
「スーパーはくと」の所要時間は約2時間半。従来の大阪発、播但線経由の特急「はまかぜ」や、京都発、山陰線経由の特急「あさしお」より約1時間半も短縮されました。1997(平成9)年にはHOT7000系が増備され、「はくと」も「スーパーはくと」に統合。2023年現在も京阪神~鳥取間の最速列車は「スーパーはくと」です。姫路駅で東海道・山陽新幹線の「のぞみ」と乗り換えに便利なダイヤになっているため、名古屋や東京から鳥取までの所要時間短縮にも貢献しています。
特急の「京都延長」なぜ?
当初、大阪~鳥取・倉吉間だった「スーパーはくと」「はくと」が京都発着となったのは、実は阪神淡路大震災がきっかけでした。
1995(平成7)年1月17日。大きな被害のなかった智頭急行では、普通列車は運行できました。しかしJR東海道本線(JR神戸線)が不通となったため、「スーパーはくと」は3月31日まで姫路~鳥取間の運行になりました。「はくと」は全区間で運休です。JRの復旧後、臨時延長という形で京都発着が始まり業績が回復すると、1996(平成8)年からは正式に京都発着となりました。
その後も台風9号(2009〈平成21〉年)の被害により約20日間の運休を余儀なくされるなど受難もありましたが、HOT7000系のリニューアルや恋山形駅のPRが奏功し、経営は安定していました。しかし2020年4月に発出された緊急事態宣言は、智頭急行にとって最大の試練でした。
後で修正されるかもしれないけど書いておきます。
地図が適切ではありません。
岡山〜津山間は因美線ではなく津山線です。
また伯備線とされてるルートのうち、岡山〜総社間は吉備線のルートです。伯備線は倉敷起点です。