「箱の中からミサイル発射!」コンテナにしか見えない新発射システム 戦術を一変か? 自衛隊にも大きな影響が

常識を覆す可能性を秘めたミサイル発射装置

 このように、MK 70を活用すれば、これまで長射程ミサイルの発射能力を持たなかった艦艇や地上部隊に、そうした能力を容易に付与することができるようになります。その点では、非常に革新的なシステムだといえるでしょう。

 また、一定の大きさを持つ無人舟艇にMK 70を搭載すれば、有人艦艇の活動を積極支援するロボット戦闘艦へと昇華させることも可能です。すでにアメリカ海軍では、2021年に試験中の無人水上艦「レンジャー」にMK 70を搭載し、そこからSM-6を発射する試験を実施しています。

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戦闘艦「サヴァンナ」に搭載したコンテナ型VLS「MK 70」から放たれた対空ミサイルSM-6(画像:アメリカ海軍)。

 MK 70が持つ意義は、単にミサイル発射能力を与えるということだけにとどまりません。これまでなら搭載がほぼ不可能だった艦艇でも、長射程ミサイルの発射能力が付与できるようになったことを意味します。

 これは敵からすると、あらゆる艦艇の動向に注意を払う必要があるということに繋がります。そうしなければ、いつどこから巡航ミサイルや対艦ミサイルが飛んでくるか、把握できないためです。

 しかし、このような動向監視を実行に移すためには、ISR(情報・監視・偵察)能力をフル活用しなければならず、これには極めて多大な労力を要します。従って、敵軍のISR能力に大きな負荷をかけることが期待できます。

【箱の中からババーン!】コンテナ型VLSからミサイル飛び出た瞬間ほか(写真)

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