ゴジラと戦った異形の戦闘機「震電」福岡で発見!? 史実じゃ“あり得ないプレート” 貼られた意味は?

新作映画『ゴジラ-1.0』の劇中に、未慣れぬ形をした日本の戦闘機が登場します。実はこの機体を正確に再現した原寸模型が、福岡県で一般公開されています。調べてみると、両者は「同一機」のようでした。

福岡県大刀洗で会える「震電」って?

 終戦後、九州飛行機に残された「震電」の試作2号機および3号機や、組み立て途中の機体は部品と共に全て廃棄されましたが、試作1号機だけは保管されてアメリカ本土に渡りました。その後、調査された機体はワシントンD.C.にあるスミソニアン国立航空博物館の所蔵となり、現在は分解された状態で保管されています。なお、近傍のワシントン・ダレス国際空港にある同博物館の別館では、操縦席を含む前方部分などが展示・公開されています。

 こうしてアメリカに渡ってしまった幻の先尾翼機「震電」ですが、実は最近になって、国内でも完全な姿で見ることができます。それは、2022年7月6日より福岡県朝倉郡の筑前町立大刀洗平和記念館で展示が始まった、もうひとつの機体です。

 しかし、これはオリジナルの実機ではなく「東京の映像制作会社が製作した実物大の模型」、つまりは映画用に作られたプロップ(実物大模型)と推察されるものです。しかしその全長9.76m、全幅11.11mの先尾翼機の形状や細部は正確に再現されており、一見すると実機と見紛うほど。ちなみに、この原寸模型の存在を知った同記念館は、輸送費も含めて2200万円で購入したといいます。

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九州飛行機で製作され、1945(昭和20)年8月3日に初飛行を行った「震電」の試作1号機。戦後に補修されて、調査のためアメリカに渡った(吉川和篤所蔵)。

 この大刀洗平和記念館が建つ場所には、もともと陸軍航空隊の大刀洗飛行場がありました。この飛行場に隣接する形で設けられていたのが陸軍機の修理を行うための太刀洗航空機製作所ですが、その前身は九州飛行機と同じ渡辺鉄工所(現:渡辺鉄工)となるため、海軍機である「震電」と関係がないわけでもないのです。

 同記念館では、そういった歴史的な関係や航空技術の発展をテーマに掲げていたことから、以前より海軍機でありながら小型の模型や航空羅針盤、当時の記録映像など「震電」関係の展示にも力を入れており、スミソニアン国立航空博物館に実機の貸し出しを打診したこともあるそう。こうした強い思いが、上記の原寸模型の購入および展示に繋がったといえるでしょう。

【え、実機にはないよね!?】大刀洗平和記念館の「震電」激写! 操縦席にあるドイツ語プレート(写真)

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