自家用機で来てOK!「米軍横田基地」知られざる重要会議に出席 関東上空の“交通統制” 行っている現場は?
自家用機で横田基地を離着陸するレア体験も
また気温も少し肌寒いくらいの低い温度が維持されています。これは使われている大量の電子機器類の故障率を下げるために有効とのハナシでした。ここで実際の運用状況を肌身で感じ、照度も気温も安全優先のために低く抑えられていることを体感することができました。
レーダー管制室では、計器飛行を行う航空機が使用する航路や高度などの指示を離陸前に出す「クリアランス・デリバリー」と呼ばれる業務も行っています。横田基地では、基地を飛び立つ航空機へのクリアランス・デリバリー業務に加え、調布空港を発着する新中央航空の離島便へのクリアランス・デリバリー業務も行っています。
今回、横田基地で開催された航空安全会議は午前中のセッションミーティングに始まり、午後は見学など盛りだくさんの内容でしたが、この会議の最大の特徴は、参加目的の航空機には着陸許可が出ることです。今回はモーターグライダー1機を含め総数14機が着陸を許可されました。アメリカ軍基地に日本の自家用機の着陸が許可されることはとても異例なことですが、この特別な配慮には横田空域の航空安全を最優先するアメリカ空軍の並々ならぬ意気込みが感じられます。
過去には横田基地のように、レーダー管制空域を運用しているアメリカ海兵隊岩国基地においても航空安全会議が行われていました。その際にも参加者の航空機は着陸を許可されました。
このような内容の航空安全会議は在日米軍基地だけで開催されてきましたが、今までに行われてきた航空安全会議を参考にして、レーダーサービスを提供する自衛隊基地においても同様な内容で航空安全会議が行われれば、理解促進を図るという観点で大きな意義があるのではないかと筆者(細谷泰正:航空評論家/元AOPA JAPAN理事)は考えています。
【了】
Writer: 細谷泰正(航空評論家/元AOPA JAPAN理事)
航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事
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