ウクライナなぜ士気高いまま? 開戦まもなく2年 西側兵器の供与による好循環/ロシアが抜け出せぬ悪循環とは
生き長らえれば戦闘スキルは確実にアップ
ただ、以後もロシア製MBTはこの構造を基本的に踏襲し発展を遂げてきたため、今回のウクライナ紛争でも被弾時に同様の事態となるケースが頻発。結果、ロシア軍とウクライナ軍の双方で、乗員は死傷から免れない状況となっています。
また、IFVの主力であるBMP-2も、ロシア式設計の常で攻撃用兵器こそ優秀で強力なものを装備していますが、今日の基準では、防御力と被弾時の乗員の生存性に問題のある設計であることは否めません。
ウクライナ軍とロシア軍は開戦以降、ともにこのようなMBTやIFVを使用してきました。ところが今回の反転攻勢を前にして、西側諸国はウクライナに対し「レオパルド2」や「チャレンジャー2」、M2「ブラッドレー」を供給し、同軍はこれらを最前線の主力として運用しています。
当然ながら、最前線における戦闘のなかでこれら西側製の戦闘車両も、すでに数多く撃破されていますが、「撃破された」という車両の損失に対して、乗員の死傷者数がきわめて少ないことが伝えられています。
というのも西側のMBTやIFVは、車両自体はいくら撃破されようとも乗員さえ生還すれば、彼らはその戦訓を身に付けて新しい車両に乗り再び戦えるという過去の戦訓に基づき、乗員の生存を第一に考えた設計が施されているからです。
その結果、最前線ではロシア製MBTやIFVに比べて、西側製のそれらの乗員の生存率は高いため、やはり西側製は優れているという一種の信頼感と安心感がウクライナ軍兵士たちに生まれているのだとか。
しかも生還した乗員たちは、その戦訓を身に付けて「経験値を上げて」再び戦闘に参加できます。加えて、万一ロシア側の攻撃にあっても生還できる可能性が高いので、乗員たちの士気が旺盛になり、兵士個々のスキルがより向上し、戦いにも積極的になるという好循環が生まれているそうです。
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