「戦艦は時代遅れ」を決定的にした「事件」とは? 「沈むはずがない」無敵の存在を過去の遺物にした日本海軍

1941年12月10日に発生した「マレー沖海戦」でイギリス東洋艦隊の最新鋭戦艦だった「プリンス・オブ・ウェールズ」が“航行中”に日本海軍機によって沈められました。これは戦史において大きな転換点になりました。

航空機優位の時代を作った日本海軍だが…

 短時間で2隻が沈められた理由としては、艦載された対空砲の不具合や、そもそも欧州では航空魚雷で攻撃してくる航空機がまれで、自国の雷撃機で日本軍機よりも鈍足な「ソードフィッシュ」相手の訓練に慣れてしまった乗組員たちの対空砲火が適切ではなかったなどの問題もあるようです。

 とはいえ、一番の問題はやはり護衛となる航空機がゼロで、一緒に防空を担当できる駆逐艦も4隻しかいなかったことが大きな要因でした。この海戦で、いかに戦艦といえども、航空機の援護なしには無力であることが完全に明らかとなり、日米海軍は航空母艦を主眼に置いた戦闘に切り替えていくことになります。

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マレー沖海戦時のイギリス艦隊。写真左端に「プリンス・オブ・ウェールズ」、その奥に「レパルス」。手前は駆逐艦「エクスプレス」ないし「エレクトラ」(画像:アメリカ海軍)。

 この戦いを指揮し、終戦間際に最後の連合艦隊司令長官となった小沢治三郎中将(当時)は、「プリンス・オブ・ウェールズ」と運命を共にしたトーマス・フィリップス東洋艦隊司令官の死を悼み「いずれ我々にも同じ運命がくる」と発言したそうです。小沢中将自身はそうなりませんでしたが、後に「航行中を航空機により撃沈された戦艦」のリストには、日本海軍の最新鋭艦だった「大和」と「武蔵」が加わることになります。

【了】

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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